うつ病とＡＤＨＤで社会的治癒が認められ障害厚生年２級を受給できたケース（事例№7057）

相談時の状況

生来のＡＤＨＤと、二次障害としてうつ病を患っておられる５０代の女性からご相談いただきました。

ご自身で手続きしようと年金事務所へ通われていましたが、病歴就労状況等申立書をどう書けばよいのか不安になり、主治医に相談されました。

すると、主治医から当センターへ相談してみるようアドバイスされたそうです。

 

社労士による見解

この方は約２０年前から突然パニック発作が出るようになり、近くの精神科クリニックを受診されました。

しばらくは動悸や過呼吸などの症状に苦しみましたが、投薬治療によって徐々に改善していき、治療開始から５年くらいで寛解に至りました。

寛解後は問題なく社会生活を営むことができるようになり、正社員で就職もしました。

しかし寛解から７年経過した頃に息子が不登校となり、精神科を受診させたところ発達障害の診断を受けたことで、心労から再びパニック発作が出るようになりました。

以前通っていたクリニックへ再度通院するようになり、息子が発達障害とわかったことで自身も発達検査を受けてみたところ、ＡＤＨＤであったことがわかりました。

二次障害としてうつ病の発症し、出勤が困難となったため、数か月前から休職されていました。

年金事務所の窓口では、約２０年前に初めて精神科クリニックを受診した時点が初診日だとアドバイスされ、その時は国民年金の被保険者でしたので、障害基礎年金で手続きするよう言われたそうです。

しかしこの方は、その初診から約５年で寛解となり、通院は終了されいました。
またその後に正社員で就労もできていましたので、「社会的治癒」が認められる可能性があると感じました。

社会的治癒とは、精神障害の場合は一旦寛解に至り、その後数年に渡って社会生活を問題なく過ごすことができていた場合は、再発した時点を初診日としてもらえる可能性がある考え方のことです。

この方は再発した時点では会社勤めをされていましたので、社会的治癒が認められれば障害厚生年金の対象でした。

 

受任してから申請までに行ったこと

診断書作成を依頼する際は、幼少期から現在までの経緯や、日常生活の状況などについて詳しく文章にし、また社会的治癒を主張する旨やその説明なども参考資料にまとめたものを、受診時に医師へお渡しいただきました。

出来上がった診断書を拝見すると、寛解後は問題なく過ごせていたこともお書きいただけていました。

病歴就労状況等申立書を作成する際は、社会的治癒を主張する旨と、寛解後はいかに問題なく過ごせていたかをしっかり主張しておきました。

 

結果

無事に社会的治癒が認められ、障害厚生年金２級に決まりました。

 

関連記事

クイックタグから関連記事を探す

• 20歳前からの障害
• 初診証明困難事例

「うつ病・気分変調症」の記事一覧

「知的障害・発達障害」の記事一覧