誤った審査で不支給とされたが審査請求で覆し、うつ病で障害厚生年金2級に認められたケース
相談時の状況
ご本人よりお電話でご相談いただき、後日に無料相談会へご参加いただきました。
社労士による見解
この方は数年前から強い回転性の眩暈を感じるようになり、異常を感じて耳鼻科を受診したところ、メニエール病と診断されたそうです。数年に渡って耳鼻科でメニエール病の治療を受けておられたのですが症状は改善せず、以前より抑うつや不安感なども自覚しておられたため、思い切って精神科を受診されました。
しかしこの方はプライドが高く、精神疾患と診断されることが嫌だったため、本当に苦しんでいる症状や日常生活の状況をあまり医師に話せなかったそうです。その結果適応障害と診断され、1年以上通院しても症状は改善されず、仕事も退職してしまわれました。
受任してから申請までに行ったこと
適応障害は、原則として障害年金の対象とされません。
仕事を辞めてからも強いうつ状態が続いており、自責の念や希死念慮も強かったため、適応障害ではなくうつ病の可能性が高いと感じました。適応障害と診断されてしまった原因は、今まで症状や状況を詳しく医師に伝えられていなかったことにあると考え、正直に全てを受診時にお話されるよう勧めました。しかしこの方は主治医を近寄りがたく感じておられたようで、どうしても伝えることができませんでした。
そこで、ご自宅の近くにじっくりと話を聞いてくれる医師がいらっしゃるクリニックをお教えしたところ、そちらへ転医されました。その医師には心を開くことができたようで、いろんな症状や状況を正直に伝えることができ、うつ病と診断されました。
転医から数か月後に診断書をお書きいただけましたので、その内容を踏まえて病歴就労状況等申立書をこちらで作成し、申請しました。
ところが数か月後に届いた年金証書を見せていただくと、障害等級3級となっていました。明らかに不当な審査結果でしたので、すぐに審査請求(不服申立)の手続きを行いました。
結果
無事、障害厚生年金の2級に変更されました。
謝った審査により不当な審査結果がでてしまうことは、残念ながら珍しくありません。どれだけ慎重に準備を行い、完璧な書類で申請したとしても、こういうことは起こってしまうのです。
このような不当な審査結果が出た場合は、泣き寝入りをせずに審査請求(不服申立)を行わなければなりません。しかし審査請求で勝利するためには、厚生労働省に「自分たちの判断は間違ってました」と認めてもらわなければなりませんので、簡単には行きません。
不当な審査結果が出てしまった場合には、感情に任せて訴えるのではなく、不当な審査内容を認定基準に照らし合わせながら的確に指摘していく必要があります。
なによりもまずは完璧な書類を揃えて初めの申請を行っておくことが重要ですので、最初から専門家へご相談いただくことをお勧めします。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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