障害年金を受けることに抵抗を感じておられたケース(事例№267)
相談時の状況
自閉症スペクトラム障害と、その二次障害で気分変調症を発症されている40代の息子さんについて、ご両親からご相談いただきました。
面談時にはサポートを希望するとおっしゃられていたのですが、なぜか数日後に考え直したいとのお電話をいただきました。
その後は音沙汰がなかったのですが、3年後に再度ご両親から、やっぱりお願いしたいとの連絡が入りました。
事情を伺ってみると、3年前の面談後に障害年金の手続きを進めていこうとご両親から本人に話をされたところ、「障害」年金は障害者がもらうもので、これを受けると一生障害者の烙印を押されてしまうのではないか?、という不安を感じて拒否されたようです。
しかしその後も状況は改善せず、経済的な不安から症状も悪化していたため、再度ご両親から障害年金を受けたほうが良いと説得されたとのことでした。
社労士による見解
この方は昔から対人関係が苦手で、いつも孤立していたそうです。
ご両親や小学校の教師からよく怒られていましたが、いつも自分の非を認めることができず、人を非難してばかりだったそうです。
6年生の時には、「担任教師と合わない」といいだして不登校となり、中学ではいじめに遭って3年生頃から登校できなくなりました。
高校でもやはり途中から行けなくなり、通信制高校にかわりましたが、そこでも気に入らないことがあると言い出して辞めてしまいました。
その後はアルバイトを始めましたが、気に入らないことやうまくいかないことがあるとすぐに人のせいにして辞めてしまい、数か月おきに職を転々としていました。
30歳を過ぎたころからは自宅に引き籠って両親に暴力を振るうようになったため、近くの精神科クリニックを受診させたところ、気分変調症と診断されました。
しばらくは定期的に通院していましたが、主治医が気に入らないと言い出して転医したものの、その後も同様の理由で様々な精神科を渡り歩き、1年前に転医した精神病院でようやく自閉症スペクトラム障害と診断されました。
現在でも自宅に引き籠っており、気に入らないことがあると両親に当たり散らす状態が続いています。
B型の就労継続支援事業所に通った時期もありましたが、こだわりが強いため納得できない指示は一切受け入れられず、相手の立場で考えることができないため会話も自分が言いたいことを一方的に話すばかりで、人間関係を構築することができませんでした。
明らかに障害等級2級以上に該当する状態でした。
受任してから申請までに行ったこと
今までの経緯や日常生活状況などについて、本人から主治医へほとんど説明できていないと聞いていましたので、幼少期から現在までの状況をご両親から詳しくヒアリングし、まとめたものを医師へお渡しいただいたところ、実態に即した診断書をお書きいただくことができました。
病歴就労状況等申立書も、ヒアリング内容に基づいてこちらで作成しました。
結果
無事、障害基礎年金2級に決まりました。
そもそも制度名に「障害」と入っていることが原因なのですが、障害年金を受給したからと言って、「一生障害者の烙印を押されてしまう」わけではありません。
大半が数年おきに診断書を提出し、その都度障害状態の審査を受ける「更新制」になっており、障害状態が改善すれば支給されなくなりますので、「傷病手当の延長」のようなイメージです。
障害年金を受給していることは誰にもわかりませんし、過去に障害年金を受けていたからといって、デメリットは生じません。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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- うつ病で障害厚生年金3級を受給できたケース
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- 【うつ病で障害基礎年金3級】フルタイム勤務できたいた期間の遡及も認められたケース
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- 精神障害専門と謳う社労士が信用できないとして医師からご相談いただいたケース(事例№5493)
- 知的障害と発達障害で障害基礎年金2級に永久固定で認められたケース(事例№5349)
- 発達障害で申請したが不支給となり再チャレンジしたケース(事例№5320)
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- 不支給のときとほぼ同じ内容の診断書で再度申請し認められたケース(事例№266)
- 初診のカルテが破棄されたと思い込んでおられたがアスペルガー症候群で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5018)
- 発達障害で毎回ほぼ同じ内容の診断書を提出し3回目で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5136)
- 中等度の知的障害でも不支給になっていたケース(事例№709)
- 初診日を状況証拠などで証明し発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№294)
- 軽度知的障害のあるご本人が医療機関を混乱させていたが障害基礎年金2級に認められたケース(事例№256)
- 知的障害と発達障害で申請して不支給になっていたが再チャレンジで障害基礎年金2級に認められたケース(事例№35)
- 通院したことがない知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№463)
- 発達障害で20歳まで遡って障害基礎年金2級に認められたケース(事例№462)
- 就労支援A型で働きながら知的障害と発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№1519)
- 小脳低形成症で相談され発達障害で障害年金申請したケース(事例№53)
- 発達障害で障害年金を申請しようとしたがどこの社労士に相談しても無理と言われていたケース(事例№458)
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- 50代後半で知的障害が発覚し障害基礎年金2級に認められたケース
- 神経線維腫症Ⅰ型と軽度知的障害で障害基礎年金1級に認められたケース
- 二次障害が無い軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 自閉症スペクトラムで障害基礎年金1級に認められたケース
- 医師から無理だと言われていたが発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- いくつもの精神科で医師に嫌がられていたが発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 一般就労していたが軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 二次障害のない広汎性発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 発達障害での障害年金請求についてご自身で年金事務所へ相談されていたケース
- 幼少期に一度受診しただけだったが発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 面談時に軽度知的障害がわかり障害基礎年金2級を受給できたケース
- 診断書を書けないと言われていたが発達障害と知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 主治医から障害年金は無理だと言われていたが軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 摂食障害で通院していたが知的障害とわかり障害基礎年金2級に認められたケース
- 診断書のポイントがずれていたため知的障害と認められなかったケース
- 医師から診断書の書きようがないと言われていたが発達障害で障害基礎年金2級を受給できたケース
- 【知的障害で障害基礎年金2級】軽度精神遅滞で2級に永久認定されたケース
- 過去一度も診察を受けたことが無かったが軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 知的障害を初めて医師に診てもらい数か月後に申請して永久固定で障害基礎年金2級に認められたケース
- 重い知的障害なのに不支給とされていたが永久固定で障害基礎年金2級に認められたケース
- 知的障害で診断書を軽く書かれ困っていたが障害基礎年金2級を永久固定で受給できたケース
- 自閉症スペクトラムで障害基礎年金2級に認めら遡及も行われたケース
- 中等度の精神遅滞で障害基礎年金1級に認められたケース
- 【ASDで障害基礎年金2級】障害者雇用でフルタイム勤務できていたが受給できたケース
- わざと審査に通らない内容に診断書を書き直されたが知的障害で障害基礎年金2級を受給できたケース
- アスペルガー症候群と統合失調症で障害基礎年金2級に認められたケース
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- 広汎性発達障害とうつ病で障害厚生年金2級に認められたケース
- DQ39の知的障害だが病歴就労状況等申立書に問題があって不支給とされていたケース
- DQ69の軽度精神遅滞で障害基礎年金2級に認められたケース
- 当センター相談後に精神遅滞と発達障害であることが分かり障害基礎年金2級に認められたケース
- 軽度の知的障害とうつ病で障害基礎年金2級に認められたケース
- 広汎性発達障害と知的障害で障害基礎年金2級を受給できたケース
- 審査に通らない病名で診断書を書かれたが障害厚生年金3級に認められたケース
- アスペルガー症候群と双極性感情障害で障害基礎年金2級が認められたケース
- アスペルガー症候群で障害基礎年金2級に認められ遡及も行われたケース