ポストポリオとの明確な診断はなかったが認められたケース

相談時の状況

幼少期にポリオに罹患し、数年前から状態が悪化した60歳男性からご相談いただきました。

最近になって障害年金を知り、ご自身で手続きを進めておられました。

何度か年金事務所へ足を運ばれ、既に診断書も取得されていましたが、窓口担当者によって言うことが異なるため、不安を感じておられたようです。

 

社労士による見解

この方は5歳の時にポリオウィルスに感染し、左足に重い障害が残りました。

歩行には松葉杖が必要なほどでしたが、治療しても治らないため、小学4年生頃から通院はしなくなりました。

大学卒業後は会社員となり、社会生活を営んでおられましたが、数年前から以前は問題の無かった左股関節にも異常を感じるようになり、自宅近くの病院へ通うようになりました。


ご本人は、幼少期のポリオ罹患時の受診を初診日と判断されていました。

当時のカルテは当然破棄されていましたので、初診日を証言してくれる第三者2名を窓口の指示に従って探し出し、申立書を依頼しておられました。

また窓口で、なぜか2枚の診断書が必要と言われたそうで、以前からの通院先以外の病院も新たに受診され、診断書を依頼されていました。


原則として、障害年金は初診日に加入していた年金制度で対象となる年金が決まります。

年金に加入する20歳前に初診日がある場合は、「20歳前障害」という特例に該当し、障害基礎年金(国民年金)の対象となります。

基礎年金は厚生年金よりも年金額が低く、さらに特例の20歳前障害は所得制限もありますので、一番条件の悪い障害年金といえます。

この方は、20歳前障害として手続きを進めておられました。


ところが、新たに受診された病院の診断書を拝見すると、幼少期から障害のあった左足だけでなく、健康だった右足の関節も筋力が低下していることがわかりました。


実は、障害年金には様々な特例事項があります。

「ポリオ後遺症」ではなく、「ポストポリオ」と認められた場合は、ポリオに罹患した幼少期ではなく、再発した時点が初診日と判断されるのです。

ただし、昔ポリオに罹患していた方全てがポストポリオを認められるわけではありません。

次の条件を全て満たす場合に、再発した時点を初診日と判断してもらえます。

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1.新たな筋力低下及び異常な筋の易疲労性があること
2.ポリオの既往歴があり、少なくとも一肢にポリオによる弛緩性運動麻痺が残存していること
3.ポリオ回復後ポストポリオを発症するまでに、症状の安定していた期間(おおむね10年以上)があること
4.1の主たる原因が、他の疾患ではないこと
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この方は、今までは無かった右下肢の筋力低下が出現していましたので、ポストポリオに認められる可能性があると判断しました。

 

受任してから申請までに行ったこと

まず、数年前から通院していた病院と、新たに受診した病院の両方の医師に、ポストポリオの可能性について確認しました。

しかしどちらの医師も、過去の状態をご存じではなかったため、「わからない」という回答しかいただけませんでした。

そこで病歴就労状況等申立書を作成する際には、幼少期から現在までの状況を細かく説明し、ポストポリオに該当するはずであると主張する文章の記載しておきました。

申請した後も度々年金機構審査本部から返戻があり、医師照会を求めてこられましたが、医師としては「わからない」としか答えようのない状態でしたので、そのままご返答いただきました。

 

結果

「わからない」ということは、明確に否定することもできない状況でしたので、1年以上かけて何度もやりとりした結果、ポストポリオを認めてもらうことができ、障害厚生年金2級に認められました。

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