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変形性肩関節症で障害厚生年3級に認められ遡及も行われたケース

相談時の状況

ご本人から電話でご相談いただき、後日お仕事終わりの夕方に事務所へお越しいただきました。

 

社労士による見解

この方は昔からテニスをされており、10年以上前から運動時に痛みを右肩に感じておられたそうです。
約8年前に突然右肩に激痛が走ったため整形外科を受診されたところ、変形性肩関節症と診断されました。

半年後に右肩へ人工骨頭を挿入され、その後は問題なく日常生活を送っておられたのですが、人工関節も障害年金の対象となることを知り、当センターへご相談いただいたようです。

 

受任してから申請までに行ったこと

腕や足の三大関節に人工関節や人工骨頭を入れておられる場合は、原則として障害等級3級に該当します。
日常生活や仕事に支障が出ているかどうかに関係なく、置換しているだけで3級に認められます。

ただしご注意いただきたいのは、3級で年金が支給されるのは初診日時点で厚生年金や共済年金に加入しておられた場合だけで、国民年金だと2級以上に該当しなければ支給されません。

初診日と認められるのは、病名が判明したときや、専門医に診てもらったときではなく、その症状について初めて医師の診療を受けたときとされています。例えばまず初めに掛かりつけの内科に相談して整形外科を紹介されたようなケースだと、最初の内科が初診とされる可能性があります。

また大腿骨骨頭壊死などでよくあるのですが、別の疾患で以前からステロイド剤を投与されていた場合は、ステロイド剤が原因と判断され、そちらで初診が判断されることもありますので、慎重に判断する必要があります。

この方は痛みを自覚しだしたのは10年以上前からでしたが受診はされておらず、約8年前の受診が初診日で問題ありませんでした。

その医療機関に現在も通院しておら、診断書もお書きいただく予定でしたので、初診の証明(受診状況等証明書)を別で取得する必要はありませんでした。

この方は人工関節に置換した日が障害認定日となり、その日から障害年金を請求することができました。
障害年金制度では、障害認定日時点のカルテに基づいて診断書を書いてもらうことができれば、そこまで遡って認定を受けることができるとされています。

障害認定日から1年以上経過している場合は、障害認定日時点と現時点の診断書を1枚づつ取得しなければなりません。

この方も本来は1枚づつ取得しなければならないはずで、年金事務所の窓口でも取得するよう指示されます。
しかし人工臓器に置換したり、手足を切断したような場合は、その時点で確実に障害状態が固定となるため、実は現時点の診断書だけで遡りを求めることが可能なのです。

診断書をご本人から依頼していただく際は、人工骨頭挿入日を明記していただくよう念押しをしてもらい、現時点のものだけを作成してもらいました。

病歴就労状況等申立書を作成する際は、初診日が遡るような誤解を招かないよう、痛みは10数年前から感じていたが受診はしていなかったことについて強調しておきました。

 

結果

障害厚生年金3級に永久固定で認められ、5年分の遡及も行われました。

障害年金制度は非常に複雑で、わからないまま進めてしまうと余分に手間が掛かったり、誤解を受けて受給できなくなることもあります。
ポイントを押さえてスムーズに対応していく必要がありますので、まず初めに専門家へご相談いただくことをお勧めします。

社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)

舩田 光朗
舩田 光朗社会保険労務士
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