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多発性硬化症で障害厚生年金1級に認められたケース

相談時の状況

京都府の難病相談支援センターからご紹介頂きました。

ご本人は入院中でしたので、病棟にお邪魔してご本人・お父様と面談しました。

 

社労士による見解

お父様から詳しくお話を伺うと、数年前に歩き方のぎこちなさにお母様が気づき、近くの耳鼻科を受診させたそうです。直ぐに大学病院を紹介され、入院して精密検査を受けたところ、多発性硬化症と診断されました。

 何度か入退院を繰り返し、その都度いろんな薬を試してこられたのですが症状は改善せず、現在は車いすが必要なほど悪化しておられました。

面談の約1か月前に自宅で転倒して大腿骨を骨折し、人工骨頭挿入のために入院しておられました。

実際にお会いして状態を拝見したところ、大腿骨骨折が無くても歩行は困難で、両上肢も殆ど自由に動かせないほどになっておられましたので、障害等級1級の可能性があると判断しました。

 

受任してから申請までに行ったこと

多発性硬化症の主治医はかなりお忙しい方で、スムーズに診断書をお書きいただけない可能性が考えられましたので、以前より他の患者さんのことでもやり取りをしていたソーシャルワーカーさんへ面談終了と同時に相談をしに行きました。

 入院中に骨折でお世話になっている整形外科の医師に診断書をお書きいただけるようソーシャルワーカーさんからご相談いただけることとなりましたので、早速依頼していただきました。

出来上がってきた診断書を拝見したところ、事実と異なる箇所や抜けている箇所などがいくつかありましたので直ぐに資料を作成し、ソーシャルワーカーさんから医師へご説明いただきました。

 

結果

無事、障害厚生年金1級に認められました。

障害年金を申請する上で、もっとも気を付けなければならないのは診断書です。書面だけで障害状態を審査されてしまいますので、実態に則した内容になっていなければ、いくら重い障害状態でも支給されません。

しかし障害年金制度に詳しい医師は稀で、診断書も問題のある書き方をされてしまうことがよくあります。また検査数値などについては誰が書いても同じ内容になりますが、医師の主観でお書きいただかなければならない箇所も多くあり、同じ障害状態でも考え方の違いから全く異なった内容になることも珍しくありません。

しかしだからと言って、作成を依頼する際に細かく説明をしてしまうと、機嫌を損ねてしまう危険性があります。できる限りスムーズに、気持ちよくお引き受けいただけるよう工夫しなければならない場合もありますので、後悔しないためにもまずは経験豊富な専門家へご相談いただくことをお勧めします。

社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)

舩田 光朗
舩田 光朗社会保険労務士
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