交通事故による右足の負傷で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№237)
相談時の状況
交通事故により、右足に重い障害が残ってしまった30代男性からご相談いただきました。
社労士による見解
この方は約3年前、歩行中に車に撥ねられ、骨盤骨折・右脛骨開放骨折・右腓骨骨幹部骨折の大怪我を負いました。
その結果、右下肢麻痺・排尿障害・勃起不全などの障害が残りました。
特に右下肢の障害が重く、足首は完全に動かせなくなりました。
また骨盤骨折で神経を損傷し、股関節も殆ど動かせない状態でした。
明らかに障害等級2級に該当する状態でしたが、痛みもかなり強い様子で、受診時は痛みの症状ばかりを医師へ訴えておられるようでしたので、その点が気になりました。
受任してから申請までに行ったこと
実は神経系統の障害についての認定基準に、「疼痛は、原則として認定の対象とならない」と明記されています。
そのため肢体障害を主張する場合に、「痛みによって動かせない」と判断されてしまうと、障害年金を受給できなくなる可能性が非常に高くなります。
この方は痛みと関係なく、足首と膝関節が「用を廃している」状態でした。
しかし、医師が診断書を痛みのことばかり強調して書かれてしまうと、痛みによってADLが低下していると誤解される可能性がありましたので、障害認定基準をご理解いただき、正しい内容でお書きいただけるよう参考資料を作成してお渡ししました。
病歴就労状況等申立書をこちらで作成する際も、痛みのことではなく、麻痺により動かせなくなっていることを強調しておきました。
結果
無事、障害基礎年金2級に決まりました。
障害年金専門と謳ったホームページを設けている社労士事務所でも、障害認定基準を良く理解していないことが非常に多くあります。
「疼痛」が障害認定の対象から外されていることを知らない社労士が、痛みの症状を病歴就労状況等申立書などで一生懸命アピールしてしまい、その結果不支給となって当センターへご相談に来られるケースもあります。
こういった認識不足は経験の浅い方に良く見られますので、社労士へ相談される際は、どの程度経験があるのか確認されることをお勧めします。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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