神経線維腫症2型による肢体障害で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№1578)
相談時の状況
神経線維腫症Ⅱ型を患っておられる40代の女性からご相談いただきました。
最初はご自身で手続きをしようと年金事務所へ行かれたのですが、制度が複雑で説明を聞いてもあまり理解ができず、不安を感じて相談に来られました。
社労士による見解
この方は、総合病院で看護師をしておられました。
約9年前に、右腕に痺れや脱力感が出現するようになったため、勤務先の病院を受診したところ、神経線維腫症のⅡ型と診断されたそうです。
現在は、右手の指が殆ど動かせず、右足も装具と杖を使用して何とか歩行できるという状態でしたので、障害等級2級以上に該当すると判断しました。
ただし、現在この方は障害者雇用で事務職に就いておられ、厚生年金にも加入されていました。
一般就労できていると見なされた場合、高い確率で障害状態は軽いと判断されますので、注意が必要だと感じました。
受任してから申請までに行ったこと
主治医は非常にお若く、障害年金の診断書を書かれたご経験があまりないとのことでしたので、正しい書き方やポイントなどをご理解いただくための参考資料を作成し、ご本人からお渡しいただきました。
そして病歴就労状況等申立書を作成する際は、就労状況について誤解されることが無いよう、障害者雇用で勤務されている旨や、職場での状況等を具体的に説明することを心掛けました。
結果
無事、障害厚生年金2級に決まりました。
眼の障害や聴覚の障害のように認定基準が数値で明確に定められている障害は、仕事をしていても障害状態を軽く見られることはありませんが、認定基準が曖昧な障害や傷病だと、就労できている場合はそれだけで障害状態が軽いと見なされます。
実態として、殆どまともに働けていないような状況だったとしても、一般就労である限り大半が審査に影響します。
しかし審査に影響が出るのは一般就労の場合で、障害者雇用であれば問題ありません。
障害者雇用であれば、職場の配慮があって初めて成り立つ就労であることが明白なので、就労しているものと見なされません。
こういった審査の実態は、一定以上の経験がなければわからないことですので、医師もご存じありません。
間違った認識で進めてしまわないよう、まずは経験豊富な専門家へご相談ください。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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