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多発性硬化症で障害厚生年金2級に認められたケース

相談時の状況

40代後半の女性からお電話でご相談いただき、後日事務所へお越しいただいて面談しました。

 

社労士による見解

この方は30歳くらいからクローン病を患い、総合病院の消化器科へ通院しておられました。

約10年前の朝、突然左眼が全く見えなくなり、眼が落ちそうになるほどの痛みを感じたため、クローン病で通院していた総合病院の眼科を受診されました。
直ぐに神経内科を紹介され、検査を受けたところ、視神経炎と診断されたそうです。
約2か月ほど治療を受けたところ症状が治まったため、通院を終了されました。

ところがその3年後から右足の動かしにくさを感じるようになり、同病院の整形外科を受診しましたが、原因はわかりませんでした。
同病院の神経内科でも検査を受けましたが原因がわからなかったため、大学病院の神経内科を紹介され、そちらの病院で多発性硬化症と診断されました。

その後は徐々に症状が進行していき、面談にお越しいただいた時点では、右足の膝関節と足関節が殆ど動かせない状態で、歩行には松葉杖を使用しておられましたので、障害等級2級に該当する可能性が高いと判断しました。

 

受任してから申請までに行ったこと

障害年金を進めていくにあたって、まずは初診日がいつのなるのかを慎重に判断する必要があります。
障害年金制度における初診日とは、「障害の原因となった傷病について初めて医師の診療を受けた日」と定められています。

専門医に掛かった日や病名が分かった日が、初診日ではありません。

その病気に関連する症状について、初めて医師に診てもらった日が初診日です。

この方の場合、約10年前の左眼の異常は多発性硬化症の視神経障害によるものと判断し、クローン病で通院されていた総合病院にて、左眼の異常を訴えた日を初診日として受診状況等証明書(初診日証明)を作成してもらいました。

診断書を依頼していただく際は、障害年金制度や障害認定基準を正しく理解してもらうための参考資料を作成し、医師にお渡しいただきました。

病歴就労状況等申立書を作成する際は、ご本人の日常生活の状況についても詳しく記載しました。

 

結果

無事、障害厚生年金2級に認められました。

障害年金制度は、非常に複雑です。今回のように初診日がわかりにくかったり、診断書の書き方一つで障害状態を誤解されてしまう病気で請求する場合は、細心の注意を払いながら進めていく必要があります。

間違った結果を招かないよう、経験豊富な専門家へご相談いただくことをお勧めします。

社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)

舩田 光朗
舩田 光朗社会保険労務士
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