50歳を超えてから脳性麻痺で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5726)
相談時の状況
脳性麻痺による肢体障害をお持ちの50代女性について、ご親戚の方からご相談いただきました。
社労士による見解
この方は生後3週間目にひきつけを起こし、近くの小児科へ掛かったところ、脳性麻痺と診断されました。
左上下肢に麻痺が残り、小学5年生の時に障害者手帳を取得されました。
成人後も、左半身が不自由なため簡単なアルバイトなどしかできず、家族のサポートを受けながら過ごしてこられました。
ずっと経済的に余裕が無い状況でしたが、障害年金制度の存在を知らず、最近になって親戚の方に教えてもらったとのことでした。
状態を拝見すると、左上肢の各関節は全く動かせないわけではありませんでしたが、筋力が弱く、麻痺のため思ったとおりに動かすことはできませんでした。
左下肢は、やはり全く動かせないわけではないのですが、力が弱いため踏ん張りがきかず、麻痺で思い通りに動かせない状態でしたので、常に転倒の危険性がありました。
医師からは杖の使用を勧められていましたが、左手では扱えず、異常のない右手で使用すると両手が使えない状態になり危険なため、使っておられませんでした。
結果的に杖無しで歩行されていましたが、総合的に見て2級に該当する可能性はあると判断しました。
受任してから申請までに行ったこと
まず初診日の証明は、本来は当時のカルテに基づいて行う必要があるのですが、50年以上も前でしたので、カルテどころかその医療機関自体が既にありませんでした。
しかし20歳前障害は、年金請求が可能となる20歳までに医師の診療を受けたことがあると証明できれば問題ありません。
この方は、取得に際して医師の診療が不可欠な障害者手帳を小学5年生で取得されていましたので、その事実だけで初診日の証明は十分でした。
診断書の作成依頼をご本人からしていただく際は、普段の状況や、障害認定基準についてご理解いただくための参考資料をこちらで作成し、医師へお渡しいただきました。
結果
無事、障害基礎年金2級に決まりました。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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