マルファン症候群による肢体障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6051)
相談時の状況
生まれながらのマルファン症候群により、様々な障害を抱えておられる20歳の男性について、お父様からご相談いただきました。
お父様が区役所へ相談に行かれたところ、担当者からは簡単にできるようなことを言われ、自分で手続きすることを勧められたそうですが、その担当者は知識や経験が不足しているように感じられたため、不安になって相談にこられました。
社労士による見解
詳しくお話を伺ったところ、この方はマルファン症候群が原因で、眼と心臓と体幹に障害がありました。
子供の頃に初診日がある場合は、20歳前障害として障害基礎年金の対象となり、2級以上に該当しなければ障害年金を受給できません。
眼の障害は弱視でしたが、障害等級に該当するほどの状態ではありませんでした。
心臓の障害は弁疾患でしたが、人工弁に置換しておられ障害等級3級相当でした。
体幹障害はひどい側弯症で、杖がなければ歩行できないほどでしたので、単独で障害等級2級に認められる可能性があると判断しました。
受任してから申請までに行ったこと
初診日の証明は、原則は最初にかかった病院にて、カルテに基づいた「受信状況等証明書」を取得しなければなりません。
しかし20歳前障害の場合は、20歳にならなければ年金請求できない関係上、一番最初の医療機関の証明を取得できなくても、10代の頃にどこかの病院を受診したことを明らかにできれば問題ありません。
この方は7歳から同じ大学病院へ通院しており、診断書のその大学病院で作成してもらう予定でしたので、その診断書だけで初診日の証明も可能でした。
診断書については、体幹障害だけで2級に該当すると判断し、「肢体の障害用」の様式だけで進めることにしました。
お書きいただく際は、障害認定基準や正しい書き方をご理解いただけるよう、参考資料を作成して受診時に医師へお渡しいただいたところ、実態に即した問題のない内容でお書きいただけました。
結果
無事に肢体障害のみで、障害基礎年金2級に決まりました。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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