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審査で無関係の障害による影響を疑われたが脊髄小脳変性症で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6035)

相談時の状況

脊髄小脳変性症を患っておられる60代の男性について、奥様からご相談いただきました。

 

社労士による見解

奥様に詳しくお話を伺ったところ、この方は初診に至る2~3年前から、まっすぐ歩けなくなったと自覚されていたそうですが、大したことはないと考えて病院には行かれていませんでした。

しかし、今まで経験したことがないような眩暈が頻繁に起こるようになったため、異常を感じて近くの病院を受診したところ、すぐに大きな総合病院を紹介されました。

そこでCT検査を受けたところ、小脳に異常があるとわかり、しばらくして脊髄小脳変性症と診断されました。

現在は、平衡機能障害のため家の中では伝え歩きしかできず、外では何の支えもない状態であれば、10mも歩行できない状態でしたので、障害等級2級に該当すると判断しました。

ちなみにこの方は脊髄小脳変性症発症前である約15年前に、事故が原因で両腕に障害を負っておられました。

両手指にしびれがある状態で、両上肢の軽度の障害として6級の障害者手帳を取得されていましたが、こちらは障害年金の対象になるほどではありませんでしたし、脊髄小脳変性症による平衡機能障害とも関係がないことは明らかでした。

 

受任してから申請までに行ったこと

歩行困難な状態でしたが原因は平衡機能の異常にありましたので、診断書の様式は「肢体の障害用」ではなく、「平衡機能用」を使うことにしました。

診断書を依頼してもらう際は正しい書き方などを医師に理解してもらうための資料を作成し、病歴就労状況等申立書もこちらで作成して申請を完了しました。

しかしその2カ月後、事故による両上肢の障害について取得した障害者手帳用の診断書コピーを追加提出するようにとの指示が、年金機構からありました。

平衡機能障害と両上肢の障害の関連性を疑っての指示だと理解しました。

もしも関連ありとみなされてしまえば、初診日が約15年も遡る可能性がありましたし、障害状態も複数の障害が混在しているとみられてしまえば、最悪の場合審査不能とされてしまう危険性もありました。

早速奥様にお願いして区役所を通じてコピーを取り寄せてもらったところ、明らかに関係のない上肢についての記載しかありませんでしたので大丈夫だと感じましたが、念のため今回の平衡機能異常とは一切関係がない旨を主張する文書のつけて提出しておきました。

 

結果

無事、障害厚生年金2級に決まりました。

 

 

社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)

舩田 光朗
舩田 光朗社会保険労務士
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