縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチーで障害厚生年金1級に就労しながら認められたケース(事例№6594)
相談時の状況
縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(GNEミオパチー)を患っておられる、20代の女性からご相談いただきました。
社労士による見解
「ミオパチー」とは、筋肉におこる病気の総称です。
GNEミオパチーとは、体幹から離れた場所の筋力が低下し、次第に動かせなくなっていく指定難病です。
進行性の病気ですが有効な治療方法は確立されておらず、平均して10数年で歩行できなくなると言われているようです。
この方は大学卒業後に営業職で就職されたのですが、入社早々から外回りで歩く機会が多くあり、転倒しやすいことや歩行速度が遅いことを自覚するようになりました。
小さな神経内科クリニックを受診してみたところ、すぐに大学病院を紹介され、そちらでGNEミオパチーの確定診断が出ました。
有効な治療法がないためリハビリで何とか筋力を維持しようとしましたが、症状は次第に悪化していきました。
現在は、特に手首と足首の筋力低下が著しく、足首を装具で固定し、ロフスト杖を使えば何とか歩行できましたが、腕の筋力も低下しているため転倒しやすく、外出は車いすでなければできない状況でした。
職場では、障害者雇用として人事部に転属させてもらい、在宅にて給与計算や書類作成を行っていました。
受任してから申請までに行ったこと
診断書を依頼してもらう際は、医師に障害認定基準や日常生活の状況などを正しく理解してもらうための参考資料を作成して受診時にお渡しいただいたところ、筋力は両上肢・両下肢ともほぼ「著減」になっていましたので、ここだけを見れば1級に認められてもおかしくない内容でした。
しかし、〇×で記載されるADLに関する項目は、実態よりも軽く書かれている項目がいくつもあり、3級相当の内容でした。
障害の箇所が、上肢のみもしくは下肢のみに限定されている場合は、各関節の可動域や筋力が審査上で重要視されます。
しかし、上肢と下肢のように障害が広範囲に及ぶ場合は、ADLに関する項目が重視されます。
両方の手首と足首がほぼ機能していないにも関わらず、「一人でうまくできる」を意味する「〇」が複数入れられており、明らかに実態と乖離していました。
そこで、次の受診時にご本人から医師へ「〇」とされた動作ができないことを主張してもらったところ、ご納得いただくことができ、実態に近い内容で再度お書きいただけました。
結果
障害者雇用として在宅勤務できており、給与も月30万円程度ありましたが、障害厚生年金1級に認められました。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
-
当サイトをご覧いただきありがとうございます。当事務所は京都を中心に、府内全域を対象として、障害年金の申請サポートを行っております。(※相談は全国対応です。)
「相談して良かった」「やるべきことが明確になった」と、相談後には気持ちが前向きに、軽くなれる様、耳を傾け、アドバイスすることを心掛けております。まずはお気軽に相談ください。
- 11月 15, 2024精神の障害統合失調症で障害基礎年金2級に5年遡って認められたケース(事例№6866)
- 11月 8, 2024肢体の障害指が全く動かせないのに不支給とされたが審査請求で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6628)
- 11月 1, 2024精神の障害軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6860)
- 10月 25, 2024内臓系の障害マルファン症候群からの慢性心不全で障害厚生年金3級に認められ5年遡及も出来たケース(事例№6560)
関連記事
クイックタグから関連記事を探す
「その他肢体障害」の記事一覧
- 多系統萎縮症で障害認定日まで遡って障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6754)
- 心臓疾患で子供の頃から通院していたが障害厚生年金1級に認められたケース(事例№6695)
- パーキンソン病で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6563)
- 障害認定日より遅い時期の診断書で遡及請求が認められたケース(事例№6602)
- 多系統萎縮症で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6487)
- 歯科での麻酔薬大量投与が原因の全身麻痺で障害厚生年金1級に認められたケース(事例№6571)
- 65歳を超えてから多系統萎縮症で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6488)
- 脊髄ヘルニアで障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6391)
- 頸椎損傷による肢体障害で障害厚生年金2級に永久固定で認められたケース(事例№6028)
- 事故による腕神経叢損傷で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6363)
- 働きながらでも脊髄小脳変性症で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6403)
- 変形性膝関節症で障害厚生年金3級に障害認定日まで遡って認められたケース(事例№6357)
- 30年近く受診がなかった軟骨異形成症と脊柱側弯症で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6221)
- 子供の頃からの変形性股関節症で障害厚生年金3級に認められたケース(事例№6076)
- 審査で無関係の障害による影響を疑われたが脊髄小脳変性症で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6035)
- 二分脊椎症で障害基礎年金1級に永久固定で認められたケース(事例№6082)
- シェーグレン症候群による平衡機能障害として障害厚生年金2級に認められたケース(事例№5960)
- 発症から2年弱の重症筋無力症で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6031)
- マルファン症候群による肢体障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6051)
- 脳性麻痺で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5886)
- ミルロイ病によるリンパ浮腫で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5884)
- ギランバレー症候群による肢体障害でで障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5969)
- 糖尿病がなければ下肢切断までいたらなかったはずだが糖尿病は関係ないと判断されて障害年金を受給できたケース(事例№5929)
- 慢性炎症性脱髄性多発神経炎で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№5843)
- 筋強直性ジストロフィーで障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5725)
- 原因不明の下肢障害で障害厚生年金1級に認められたケース(事例№5890)
- 障害認定日時点の診断書無しで遡及請求が認められたケース(事例№5747)
- 50歳を超えてから脳性麻痺で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5726)
- 幼少期に先天性股関節脱臼で手術を受けていたが社会的治癒が認められ5年分の遡及もできたケース(事例№5479)
- パーキンソン病で障害厚生年金1級に認められたケース(事例№5451)
- 自分で手続きを進めていたがうまくいかず諦めかけていたケース(事例№5392)
- 脊髄小脳変性症による平衡機能障害で障害厚生年金3級に認められたケース(事例№5304)
- 交通事故による両下肢障害について3級とされたが審査請求で2級に変更させたケース(事例№5218)
- 慢性炎症性脱髄性多発神経炎で当初3級とされたが再審査請求で2級に処分変更させたケース(事例№5144)
- 脊髄梗塞による下肢障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5364)
- 糖尿病性壊死による下肢切断で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5323)
- パーキンソン症候群なのにパーキンソン病と診断書に書かれたが障害厚生年金1級に認められたケース(事例№731)
- 脊髄小脳変性症を肢体の機能障害として申請し障害厚生年金1級に認められたケース(事例№5104)
- 大腿骨骨頭壊死で障害厚生年金3級:過去のステロイド治療は関係ないと判断されたケース(事例№5205)
- 急性散在性脳脊髄炎で障害厚生年金3級に決まり2年分の遡及も認められたケース(事例№5279)
- パーキンソン病で障害厚生年金3級とされたが審査請求で2級に変更させたケース(事例№5060)
- 脳性麻痺で不支給とされていたがやり直して2級に認められたケース(事例№5260)
- 原因不明の下肢障害で障害基礎年金1級に認められたケース(事例№5172)
- 多発性硬化症で障害基礎年金2級:ギランバレー症候群とされていた時期が初診日と認められたケース(事例№5168)
- 脊髄空洞症で障害厚生年金3級に認められたケース(事例№5240)
- 過去にステロイド治療を受けていたがその数年後が大腿骨骨頭壊死の初診日と認められたケース(事例№5178)
- 進行性核上性麻痺で障害基礎年金1級に認められたケース(事例№5216)
- パーキンソン病で一度不支給になっていたが再度の申請で認められたケース(事例№5122)
- レビー小体型認知症のパーキンソン症状を審査対象外とされたケース(事例№5088)
- 脊椎腫瘍による肢体障害で65歳直前に申請したケース(事例№5014)
- 強い衝動制御障害のあるパーキンソン病で1級に認められたケース(事例№5127)
- 重症筋無力症で症状が悪化しているのに支給停止されたケース(事例№194)
- 痛みを主張しすぎて不支給になったケース(事例№5148)
- 脊髄小脳変性症で障害基礎年金1級に認められたケース(事例№472)
- 封入体筋炎で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5022)
- 慢性炎症性脱髄性多発神経炎で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№429)
- ポストポリオの明確な診断はなかったが障害厚生年金2級に認められたケース(事例№1055)
- 二分脊椎症で障害基礎年金1級に認められたケース(事例№464)
- 複数の障害混在のため却下されたが審査請求で覆したケース(事例№997)
- 交通事故による右足の負傷で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№237)
- 過去のステロイド治療が原因の大腿骨骨頭壊死で障害厚生年金3級に認められたケース(事例№1525)
- 神経線維腫症2型による肢体障害で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№1578)
- 生まれつきの硬膜動静脈奇形で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№69)
- 強直性筋ジストロフィーで障害基礎年金1級に認められたケース(事例№448)
- 胸髄悪性腫瘍で障害年金申請しようとしたが医事課で初診証明を拒否されていたケース(事例№1576)
- 球脊髄性筋萎縮症で障害基礎年金2級に認められたケース
- 発症して2年のパーキンソン症候群で障害厚生年金2級に認められたケース
- 神経線維腫症Ⅰ型と軽度知的障害で障害基礎年金1級に認められたケース
- カルテは破棄されていたが肢帯型筋ジストロフィーで障害基礎年金2級に認められたケース
- 亜急性連合性脊髄変性症で障害厚生年金2級に認められたケース
- ミトコンドリア脳筋症で障害厚生年金2級に認められたケース
- 多発性硬化症で障害厚生年金2級に認められたケース
- 両特発性大腿骨骨頭壊死症で障害厚生年金3級に認められたケース
- 四肢麻痺について障害年金の相談を低料金が売りの社労士にしたが何もしてくれなかったケース
- 脳炎治療のステロイド剤が原因の大腿骨骨頭壊死で障害厚生年金3級に認められたケース
- 筋萎縮性側索硬化症(ALS)で障害基礎年金2級に認められたケース
- 年金事務所で無理だと言われたが交通事故の後遺症で障害厚生年金2級に認められたケース
- 胸椎髄膜嚢腫による下肢障害で障害厚生年金3級に認められたケース
- パーキンソン症候群で障害厚生年金3級に認められたケース
- 変形性肩関節症で障害厚生年3級に認められ遡及も行われたケース
- 筋強直性ジストロフィーで障害基礎年金2級に認められたケース
- 多発性硬化症で障害基礎年金2級に認められたケース
- 脳性麻痺で障害基礎年金2級に認められたケース
- 筋力低下が進行していない状態の重症筋無力症で障害厚生年金2級に認められたケース
- 多発性硬化症で障害厚生年金2級に認められたケース
- 多系統萎縮症で障害厚生年金2級に認められたケース
- 後縦靭帯骨化症で障害厚生年金2級に認められたケース
- 空欄だらけの診断書でもパーキンソン病で障害基礎年金2級に認められたケース
- 交通事故による右下肢切断で障害基礎年金2級に認められたケース
- 30年以上前の下肢切断で障害基礎年金2級となり遡りも認められたケース
- あまり筋力が低下していない時点の重症筋無力症で障害厚生年金3級に認められたケース
- 多発性硬化症で障害厚生年金1級に認められたケース
- 頚椎症性頚髄症による四肢麻痺で障害厚生年金2級に認められたケース
- 脳性麻痺による肢体障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- ステロイドミオパチーで障害基礎年金2級に認められたケース
- 下肢短縮が原因で反対側が変形性股関節症となった事例
- 表皮水泡症で障害基礎年金1級に認められ5年遡及も行われた事例
- 頚椎損傷による肢体麻痺で障害基礎年金1級を受給できたケース
- 頚椎損傷による四肢麻痺で障害厚生年金1級が認められたケース
- 軟骨無形成症で障害基礎年金2級に認められたケース