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パーキンソン病で障害厚生年金1級に認められたケース(事例№5451)

相談時の状況

パーキンソン病の診断を受けた60代のご主人について、奥様からご相談いただきました。

 

社労士による見解

奥様に詳しくお話を伺うと、約3年前から認知症のような症状がでるようになっていたそうです。

職場の上司に勧められて産業医に診てもらったところ、認知症ではなくパーキンソン病の可能性があるとのことで、大きな総合病院を紹介されました。

精密検査の結果、やはりパーキンソン病と診断され、通院治療を開始しました。

しかし症状は改善するどころかどんどん悪化していき、今年に入るとほぼ寝たきり状態となったため、入院されました。

障害状態は総合的にみて明らかに1級相当でしたが、どこに焦点を当てて進めるかがポイントでした。

パーキンソン病で申請する場合は、手足の動かしにくさを主張して「肢体の障害用」の診断書を使用するのが一般的です。

しかしこの方は、「精神障害」としての認知症状も重く、胃婁をされていたので、「そしゃく嚥下障害」もありました。

全ての障害について審査を受けるためには、「肢体障害」「精神障害」「そしゃく嚥下障害」と、それぞれの様式の診断書を医師に作成してもらうことになります。

その場合、それぞれに作成費用が掛かりますし、更新のたびに毎回それぞれの診断書を作成してもらわなければならなくなります。

障害の等級は1級までしかありませんから、例えばひとつの障害だけで1級相当なのであれば、残りの二つは無駄に作成費用が更新のたびにかかることになります。

ひとつの障害が2級相当で、もう一つの障害が2級相当なら、併せて1級になりますので、残りのひとつについては診断書を提出する必要がありません。

ひとつひとつの障害が2級に該当するかどうか微妙な場合は、全ての障害について診断書を書いてもらい提出したほうが良いです。

この方は肢体障害だけで見ると、2級以上は確実でしたが、1級に該当するかどうかは微妙でした。

そしゃく嚥下障害については、口から食物を摂取することができないほどでしたので、2級相当でした。

精神の障害は2級に該当するほどでしたが、おそらく主治医は精神障害用の診断書は不慣れなはずでしたので、書いてもらったとしても内容に注意が必要でした。

 

受任してから申請までに行ったこと

まず初めに、「肢体障害」「精神障害」「そしゃく嚥下障害」の障害認定基準について主治医に理解してもらうための資料を作成しました。

それを奥様から医師にお渡しいただき、ご意見を伺ったところ、肢体障害は2級相当の診断書をお書きいただける可能性が高いと判断しました。

合わせて1級にするためには、もう一つ2級相当の診断書が必要です。

「精神障害用」は作成していただくハードルが高いと判断し、比較的書いてもらいやすい「そしゃく嚥下障害用」の診断書をお願いすることにしました。

 

結果

予想通り、肢体障害とそしゃく嚥下障害で障害厚生年金1級に認められました。

 

社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)

舩田 光朗
舩田 光朗社会保険労務士
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