ADHDと双極性障害で障害基礎年金2級に障害認定日まで遡って認められたケース(事例№6489)
相談時の状況
生まれながらの注意欠陥多動性障害(ADHD)と、その二次障害で双極性感情障害を発症されている20代の息子さんについて、お母様からご相談いただきました。
お母様が手続きを進めておられ、既に障害認定日時点と現時点の診断書は医師に書いてもらっておられました。
病歴就労状況等申立書の作成にチャレンジされていたのですが、どう書いてよいかわからず困っているうちに、診断書の現症日があと数日で期限切れになる時期まで来てしまい、慌てて来所されました。
社労士による見解
お母様は、あと数日で診断書が無効になってしまうと大変慌てておられました。
障害認定日時点の診断書であれば、特に期限などありませんのでいつまでも有効ですが、現在の障害状態について書かれた診断書は、「現症日」が「3か月以内」のものでなければならないという決まりがあります。
お母様はそのことを気にしておられたのですが、これは医師に現症日だけ最近の受診日に修正してもらえばよいだけの話ですので、説明したところ安心されました。
息子さんは、十代の頃から精神科に通っておられましたので、障害基礎年金(20歳前障害)の対象でした。
障害基礎年金は2級以上に該当しなければ受給できませんが、診断書の内容を拝見すると、ギリギリ2級相当の内容でしたので、病歴就労状況等申立書の内容に注意すれば問題なく受給できると判断しました。
その病歴就労状況等申立書も、いわば自己申告の書類ですので、いくら日常生活の困難さなどを熱心に訴えたところで、診断書の内容以上に障害状態を重く見てもらえるわけではありません。
しかし、申立書の書き方に問題があれば、診断書の内容よりも障害状態を「軽く」見られてしまうことはあります。
発達障害や知的障害のお子さんの病歴就労状況等申立書を、実際の障害状態よりも軽く見られてしまうような書き方を親御さんがされるケースはよく見られます。
ひとつは、お子さんのことを悪く書きたくないという心理が無意識に働き、できなくて困っていることだけでなく、頑張ってできるようになったことも書かれてしまうケースです。
できなくて困っていることはあまり書かず、「あんなことや、こんなこともできるようになった」ということばかり書かれてしまえば、当然日常生活の困難さは伝わりません。
もうひとつは、お子さんを客観視することができなくなっておられるケースです。
ずっと一緒に過ごしてこられたため、第三者が見ればできていないことや異常な行動なども当たり前になってしまい、申立書には書かれず、書かれなければ当然審査する側には伝わりませんので、結果的に障害状態を軽く見られてしまうことになってしまいます。
こういったことを詳しくお母様に説明し、ご自身で引き続き手続きされることをお勧めしましたが、一生にかかわることなので、確実に受給できるようにするため、サポートを希望されました。
受任してから申請までに行ったこと
診断書を作成していただいたクリニックへ連絡し、事情を説明して診断書を修正していただきました。
病歴就労状況等申立書は、こちらでヒアリング内容に基づいてポイントを押さえて作成しました。
結果
無事障害認定日まで遡って、障害基礎年金2級に認められました。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
-
当サイトをご覧いただきありがとうございます。当事務所は京都を中心に、府内全域を対象として、障害年金の申請サポートを行っております。(※相談は全国対応です。)
「相談して良かった」「やるべきことが明確になった」と、相談後には気持ちが前向きに、軽くなれる様、耳を傾け、アドバイスすることを心掛けております。まずはお気軽に相談ください。
- 11月 29, 2024精神の障害社会的治癒が認められ20歳前からのうつ病で障害厚生年金2級に決まったケース(事例№6831)
- 11月 22, 2024内臓系の障害IgA腎症からの腎不全で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6820)
- 11月 15, 2024精神の障害統合失調症で障害基礎年金2級に5年遡って認められたケース(事例№6866)
- 11月 8, 2024肢体の障害指が全く動かせないのに不支給とされたが審査請求で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6628)
関連記事
クイックタグから関連記事を探す
「双極性感情障害(躁うつ病)」の記事一覧
- Ⅱ型双極性障害で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6804)
- 双極性障害で社会的治癒が認められ障害厚生年金2級に決まったケース(事例№6629)
- 初診の医療機関は閉院していたが双極性障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6778)
- 解離性障害と言われていたが双極性障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6729)
- 大学に通いながら双極性障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6590)
- 双極性障害とパニック障害で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6625)
- 双極性障害で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6573)
- 双極性障害Ⅱ型で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6470)
- 双極性感情障害とアルコール依存症で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6141)
- 双極性障害で障害基礎年金2級に5年遡及で認められたケース(事例№6349)
- 双極性障害による障害年金を事後重症で申請して後から遡及請求を追加で行ったケース(事例№5936)
- 高校生の頃からの双極性感情障害で障害基礎年金2級に20歳まで遡って認められたケース(事例№6170)
- 長年引き籠っている娘を両親が支えきれなくなったケース(事例№5889)
- 当時の診察券だけで初診日を証明し障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5704)
- 別の社労士が医師と喧嘩してしまっていたケース(事例№5768)
- 3ヶ月だけの勤務だったが元上司に初診日を証明してもらえ障害厚生年金2級に認められたケース(事例№5251)
- 【双極性感情障害で障害厚生年金2級】自分で申請し不支給になったが受給できたケース
- 発達障害で申請したが不支給となり再チャレンジしたケース(事例№5320)
- 不支給から申請しなおしたらカルテの提出まで求められたが双極性感情障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5176)
- ADHD・ASD・躁うつ病で働きながら障害厚生年金2級に認められたケース
- 不完全な証拠に第三者の証言も合わせて初診日が認められ双極性感情障害で障害基礎年金2級になったケース(事例№5032)
- 医師の勧めで双極性感情障害について障害年金を申請しようとしたが年金事務所で受付けてもらえなかったケース(事例№591)
- うつ病について自分で障害年金申請し不支給となっていたケース(事例№137)
- 双極性感情障害で障害年金を申請しようとしたが初診日がいつか判断できず困っておられたケース(事例№461)
- 他の社労士に無理だと言われていたが双極性感情障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 双極性感情障害で障害年金請求を自分で進めようとしたが途中で諦めていたケース
- 病気の知識がない社労士から断られていたが双極性感情障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 医師から無理だと言われていたが障害基礎年金2級に認められたケース
- 精神科に掛かり始めてすぐに診断書を書いてもらえて双極性感情障害で障害厚生年金2級を受給できたケース
- 双極性感情障害で数年前に不支給となっていたが再チャレンジで障害基礎年金2級に認められたケース
- 主治医から障害年金は無理だと言われていたが軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 双極性感情障害Ⅱ型なのにうつ病と誤診されていたが障害基礎年金2級で受給できたケース
- 医師から障害年金に頼らず働けと言われていたが双極性感情障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- ちょうど休職していた時期に障害認定日があり双極性感情障害で障害厚生年金2級を5年遡及で認められたケース
- 初診日の見極めが困難なだったが双極性感情障害で障害厚生年金2級に認められたケース
- 主治医から無理だと言われたが双極性感情障害で障害厚生年金2級となり遡りも認められたケース
- 躁状態が重い双極性感情障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 双極性感情障害で障害基礎年金1級に認められたケース
- 統合失調感情障害で障害厚生年金2級に認められ5年遡及も行われたケース
- 障害年金の対象とならない病名が複数診断されていたが障害基礎年金2級に認められたケース
- 身体表現性障害から双極性感情障害に傷病名が変わり障害基礎年金2級を受給できたケース
- 20歳前が初診と判明し、双極性感情障害で障害基礎年金2級を受給できたケース
- 双極性感情障害で障害共済年金2級に認められたケース
- 20歳前からの双極性感情障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 双極性感情障害で障害基礎年金2級に認められ5年遡及も行われたケース
- 双極性感情障害で障害厚生年金2級に認められた事例
- 診断名がうつ病から双極性感情障害に変更され障害厚生年金2級に認められたケース
- 双極性感情障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 双極性感情障害で障害基礎年金2級に認められ5年遡及も行われたケース
- 双極性感情障害で障害厚生年金2級に認められ遡及も行われたケース
- 双極性感情障害で障害厚生年金2級を4年遡及できたケース
- 初診時のカルテに重大な記載ミスがあったが、双極性感情障害で障害基礎年金2級に認められたケース
「知的障害・発達障害」の記事一覧
- 軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6860)
- 障害認定日より1年以上経過した現症日の診断書で遡及請求が認められたケース(事例№6387)
- 50歳前で発覚した軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6712)
- 【発達障害で障害基礎年金2級】50歳を超えてから発覚したADHDで受給できたケース
- 初診日について間違った内容を診断書に書かれたが障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6585)
- 自閉症スペクトラムで障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6505)
- 医師から障害年金は無理と言われていたが発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6416)
- 働きながらでもADHDで障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6111)
- どこにも通院していなかったが知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6369)
- 働きながらでも発達障害で障害厚生年金2級に5年遡及で認められたケース(事例№6321)
- 強迫性障害で長年治療を受けていたが障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6315)
- 重度知的障害なのに申請できないと言われていた方が障害基礎年金1級に永久固定で認められたケース(事例№6299)
- 【知的障害で障害基礎年金2級】境界知能だったが生活への支障を申立書に反映し受給出来たケース
- 自分で障害基礎年金の申請をして不支給になっていたが、障害厚生年金で再チャレンジし2級に認められたケース(事例№6030)
- 自閉症スペクトラム障害と注意欠如多動性障害について自分で申請し不支給とされていたケース(事例№6183)
- 【ASD・ADHDで障害厚生年金2級】社会的治癒が認められ受給できたケース
- 母親がうつ病で障害年金手続きしようとしたが制度が難しく困っておられたケース(事例№5981)
- 他の社労士がサポートして不支給になっていたケース(事例№5875)
- 一度不支給とされたが再チャレンジで障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5950)
- 長年引き籠っている娘を両親が支えきれなくなったケース(事例№5889)
- 知的障害で障害基礎年金2級を受けていたが更新時に診断書作成を断られていたケース(事例№6011)
- 最近まで一般就労できていたが永久固定で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5807)
- 初診証明が困難だったが知的障害と判明して問題なくなったケース(事例№5167)
- 障害年金を受けることに抵抗を感じておられたケース(事例№267)
- 当時の診察券だけで初診日を証明し障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5704)
- 軽度知的障害で障害基礎年金2級に永久固定で認められたケース(事例№5782)
- 自閉症スペクトラムで障害基礎年金1級に認められたケース(事例№5767)
- 長年一般就労できていたが軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5462)
- 医師から無理だと言われていたが働きながらでも障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5717)
- 40代で初めて診断された軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5465)
- 弁護士でも窓口担当者に申請受付を拒否されていたケース(事例№5487)
- 大学に通いながら発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5434)
- 知的障害で障害基礎年金2級を受給していたが支給を停止されていたケース(事例№5230)
- 精神障害専門と謳う社労士が信用できないとして医師からご相談いただいたケース(事例№5493)
- 知的障害と発達障害で障害基礎年金2級に永久固定で認められたケース(事例№5349)
- 発達障害で申請したが不支給となり再チャレンジしたケース(事例№5320)
- 【発達障害で障害基礎年金2級】一度不支給になったが再度申請して受給できたケース
- 3級にも該当せず不支給とされたが審査請求で2級に変更されたケース(事例№5100)
- フルタイム勤務しながら発達障害で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№5288)
- 発達障害で障害年金を受給していたが違法薬物の影響を疑われ支給を停止されていたケース(事例№5219)
- IQ67の軽度知的障害で障害基礎年金1級に認められたケース(事例№5199)
- 不支給からの再チャレンジでカルテの提出を求められたケース(事例№5083)
- ADHD・ASD・躁うつ病で働きながら障害厚生年金2級に認められたケース
- 自閉症で長年受給していたが突然支給停止されたケース(事例№5094)
- 不支給のときとほぼ同じ内容の診断書で再度申請し認められたケース(事例№266)
- 初診のカルテが破棄されたと思い込んでおられたがアスペルガー症候群で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5018)
- 発達障害で毎回ほぼ同じ内容の診断書を提出し3回目で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5136)
- 中等度の知的障害でも不支給になっていたケース(事例№709)
- 初診日を状況証拠などで証明し発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№294)
- 軽度知的障害のあるご本人が医療機関を混乱させていたが障害基礎年金2級に認められたケース(事例№256)
- 知的障害と発達障害で申請して不支給になっていたが再チャレンジで障害基礎年金2級に認められたケース(事例№35)
- 通院したことがない知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№463)
- 発達障害で20歳まで遡って障害基礎年金2級に認められたケース(事例№462)
- 就労支援A型で働きながら知的障害と発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№1519)
- 小脳低形成症で相談され発達障害で障害年金申請したケース(事例№53)
- 発達障害で障害年金を申請しようとしたがどこの社労士に相談しても無理と言われていたケース(事例№458)
- 60歳を超えてから発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- IQが高いため医師から無理と言われたが軽度知的障害で障害基礎年金1級に認められたケース
- 50代後半で知的障害が発覚し障害基礎年金2級に認められたケース
- 神経線維腫症Ⅰ型と軽度知的障害で障害基礎年金1級に認められたケース
- 二次障害が無い軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 自閉症スペクトラムで障害基礎年金1級に認められたケース
- 医師から無理だと言われていたが発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- いくつもの精神科で医師に嫌がられていたが発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 一般就労していたが軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 二次障害のない広汎性発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 発達障害での障害年金請求についてご自身で年金事務所へ相談されていたケース
- 幼少期に一度受診しただけだったが発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 面談時に軽度知的障害がわかり障害基礎年金2級を受給できたケース
- 診断書を書けないと言われていたが発達障害と知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 主治医から障害年金は無理だと言われていたが軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 摂食障害で通院していたが知的障害とわかり障害基礎年金2級に認められたケース
- 診断書のポイントがずれていたため知的障害と認められなかったケース
- 医師から診断書の書きようがないと言われていたが発達障害で障害基礎年金2級を受給できたケース
- 【知的障害で障害基礎年金2級】軽度精神遅滞で2級に永久認定されたケース
- 過去一度も診察を受けたことが無かったが軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 知的障害を初めて医師に診てもらい数か月後に申請して永久固定で障害基礎年金2級に認められたケース
- 重い知的障害なのに不支給とされていたが永久固定で障害基礎年金2級に認められたケース
- 知的障害で診断書を軽く書かれ困っていたが障害基礎年金2級を永久固定で受給できたケース
- 自閉症スペクトラムで障害基礎年金2級に認めら遡及も行われたケース
- 中等度の精神遅滞で障害基礎年金1級に認められたケース
- 【ASDで障害基礎年金2級】障害者雇用でフルタイム勤務できていたが受給できたケース
- わざと審査に通らない内容に診断書を書き直されたが知的障害で障害基礎年金2級を受給できたケース
- アスペルガー症候群と統合失調症で障害基礎年金2級に認められたケース
- DQ56の知的障害だが不支給となり再チャレンジで障害基礎年金2級を受給できたケース
- 広汎性発達障害とうつ病で障害厚生年金2級に認められたケース
- DQ39の知的障害だが病歴就労状況等申立書に問題があって不支給とされていたケース
- DQ69の軽度精神遅滞で障害基礎年金2級に認められたケース
- 当センター相談後に精神遅滞と発達障害であることが分かり障害基礎年金2級に認められたケース
- 軽度の知的障害とうつ病で障害基礎年金2級に認められたケース
- 広汎性発達障害と知的障害で障害基礎年金2級を受給できたケース
- 審査に通らない病名で診断書を書かれたが障害厚生年金3級に認められたケース
- アスペルガー症候群と双極性感情障害で障害基礎年金2級が認められたケース
- アスペルガー症候群で障害基礎年金2級に認められ遡及も行われたケース