双極性感情障害とアルコール依存症で障害厚生年金2級に認められたケース（事例№6141）

相談時の状況

精神病院のソーシャルワーカーさんから、双極性感情障害とアルコール依存症について治療している50代男性についてサポートをお願いしたいとの相談がありました。

社労士による見解

この方は子供の頃から、人が大勢いる場所に恐怖を感じていました。
大学生の頃には、電車に乗っているとたまにパニック発作が出ていたそうですが、病院には行っていませんでした。

大学卒業後は医療機器メーカーへ営業職として就職し、成績も上々でしたが、40歳頃に性格が合わない人が上司となり、強いストレスを感じるようになりました。
当初は我慢していましたが、段々と感情をコントロールできなくなっていき、会議中に机を叩きながら大声で罵声を挙げてしまい、上司から精神的な異常を指摘され、精神科クリニックへ連れていかれたそうです。

医師と会社がやりとりをして3か月の予定で休職させられたが、本人は病識があまりなく、おそらくは躁状態となって1日に600ｋｍも移動する異常な一人旅にでたそうです。
その後一旦は復職したが、会社を恨む気持ちがあったため転職しました。
躁転すると活動的となるため営業成績は良かったのですが、自宅では妻や子供へ威圧的に接したり、何度も家やマンションを購入するなどの異常行動がみられました。

帰宅後の飲酒量もどんどん増えていき、家族へのパワハラや会社でのトラブルも深刻化していたが、病識が薄かったため、家族の希望で精神病院へ何度か医療保護入院させられ、仕事も退職した。

退職後も気分の波は激しく、仕事ができる状態ではないため、自宅に引きこもって生活している。
うつ状態になると希死念慮が強まり、自殺未遂を何度かしているとのことでした。

障害年金の対象になりにくいアルコール依存症の診断も受けていましたが、日常生活に大きな支障が生じている原因は双極性感情障害がメインでしたので、障害年金を受給できる可能性が高いと判断しました。

受任してから申請までに行ったこと

子供の頃のことなども含めて、ご本人から伺ったお話を詳細な文書にまとめ、ソーシャルワーカーさんを通じて医師にお渡しいただいたところ、実態に即した内容を診断書をお書きいただけました。

病歴就労状況等申立書を作成する際も、ヒアリングによる情報を基に、実態を把握してもらえるようポイントを押さえてまとめました。

結果

無事、障害厚生年金2級に決まりました。

社会保険労務士　舩田 光朗（ふなた てるあき）

舩田 光朗社会保険労務士

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