肺動脈性肺高血圧症で不支給にされたが審査請求で障害基礎年金2級に変更されたケース(事例№6392)
相談時の状況
指定難病の肺動脈性肺高血圧症を患っておられる40代の女性からご相談いただきました。
社労士による見解
この方は、5年くらい前から健康診断の心電図で異常を指摘されるようになりましたが、自覚症状はなかったため病院には行っていませんでした。
2年前から突然、少し動いただけでも息が上がるようになり、なかなか回復しなかったため、異常を感じて掛かりつけの内科を受診したところ、すぐに大きな病院を紹介されました。
受診するとそのまま緊急入院となり、その日から在宅酸素療法を開始されました。
現在も24時間の在宅酸素療法を続けていましたが、それでも少し動いただけで息切れや眩暈が起こり、外出どころか家の階段を使用することも困難な状態でした。
肺高血圧症は、呼吸困難が主な症状ですが、呼吸器の障害ではなく、循環器の障害として審査する旨が障害認定基準に定められています。
そのため循環器用の診断書様式を使用するのですが、他の心臓疾患のように検査数値などの具体的な認定基準が設けられていないため、審査の指針が曖昧な障害です。
しかし今までは、24時間の在宅酸素療法が必要なほどであれば、重度の障害状態にあると判断してもらえることが多く、過去の実績からこの方も2級に該当することは間違いないと判断していました。
受任してから申請までに行ったこと
ところが、問題のない診断書や病歴就労状況等申立書を揃えて申請したにも関わらず、数か月後に不支給の通知が届いてしまいました。
不支給決定の理由を調べたところ、あり得ないことが書かれていました。
障害認定基準には、心臓疾患は「①弁疾患」「②心筋疾患」「③虚血性心疾患」「④難治性不整脈」「⑤大動脈疾患」「⑥先天性心疾患」の6つに分類されており、それぞれの細かな認定要領が定められています。
この①から⑥までの全ての認定要領に照らし合わせたものの、どの基準も満たしていないことを理由に不支給と判断しているのでした。
しかし肺動脈性肺高血圧症は、そもそもこれらに当てはまるものではないため、照らし合わせて審査すること自体が間違っています。
対象となる患者数が少ない指定難病の場合は、臨床症状が複雑多岐に渡っているため、客観的所見に基づいた日常生活等の程度を十分考慮して行わなければならないとされているのです。
このことを主張し、また日常生活がいかに困難な状態にあるのかも説明する文書を作成して、すぐに審査請求(不服申立)を行いました。
結果
それでも年金機構は、自分たちの審査は間違っていないとの見解を出してきましたが、近畿厚生局の社会保険審査官の判断により、こちらの主張が正しいと認められ、無事障害基礎年金2級に変更されました。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)

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