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【うつ病で障害厚生年金2級】一度だけ受診していた内科が初診と認められ受給できたケース

相談時の状況

ご本人の奥様からお電話でご相談いただき、後日無料相談会へご参加いただきました。

 

社労士による見解

詳しくお話を伺うと、ご主人は約2年前から症状が出現するようになったようでした。

 

事業を営んでおられたのですが、不眠に悩まされるようになり、意欲も低下してまともに仕事ができない状態でした。

奥様は心配して精神科を受診するよう勧められたのですが、精神疾患と診断されるのが怖いため、頑として病院に行こうとしなかったそうです。

 

症状はどんどん悪化していき、就労不能な状態となって経済的に困窮しておられました。

 

うつ病などの精神疾患でも、障害年金の支給対象となります。

しかし障害状態の審査を受けるためには医師に診断書を書いてもらう必要がありますので、精神科などに通院していなければ申請できません。

 

また初診日から1年6か月経過していなければ障害年金請求はできませんので、これから通院を開始しても、申請するまでに1年半は掛かります。

 

ところがさらにお話を伺ってみると、掛かりつけの内科クリニックを高血圧で受診した際に、一度だけ不眠についても相談した可能性があることがわかりました。

 

(ただし受診はその1回だけで、その後はご相談時点までどこにも受診しておられませんでした)

 

受任してから申請までに行ったこと

障害年金制度における初診日とは、『障害の原因となる傷病について初めて医師の診療を受けた日』と定義されています。

 

つまり精神疾患であっても、関係があると思われる症状について医師に相談しているのであれば、それが内科医であっても初診日に認められる可能性があるわけです。

 

しかし『診療』である必要がありますので、厳密にいうと単に相談しただけではなく、療養に関する指示などを受けていなければそこが初診として認められないことがあるので、注意が必要です。

 

初診の内科に受診状況等証明書(初診証明)の作成をご依頼いただく際は、制度上の初診日に関する説明や、療養の指示があった場合はそのことのカルテに基づいて書いてほしい旨を記載した依頼文を作成し、医師へお渡しいただきました。

 

すると不眠の症状を訴えたことだけではなく、ストレスを溜めないようにとアドバイスいただいたこともお書きいただけ、その際にお渡しいただいたストレス回避策をまとめた文書も添付していただきました。

 

そしてこの方は精神科への通院を一切しておられませんでしたので、信用できる医療機関をお教えしたところ、直ぐにそちらへの通院を開始されました。

 

何度か受診されたところうつ病と診断され、診断書をお書きいただくことができました。

 

結果

無事、障害厚生年金2級に認められました。

 

前述したように、精神疾患であっても精神科が初診日になるとは限りません。

しかし最近の傾向として、内科で単に頭痛や不眠を訴えただけでは初診として認められないことが増えています。

 

どの時点が初診日と見なされるのかは、最終的には医学的な観点から審査機関の認定医が判断します。

しかし原則として、認定医はこちらが提出する書類だけを見て判断するわけですから、伝えるべきことを上手くまとめておかなければなりません。

 

判断は認定医によっても差が出ますし、明確に線引きしにくい事柄ですが、誤解を招かないよう正しく表現してベストを尽くすべきだと思いますので、経験豊富な専門家へご相談いただくことをお勧めします。

 

社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)

舩田 光朗
舩田 光朗社会保険労務士
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