転医先の医師に診断書を作成してもらいうつ病で障害厚生年金2級に認められたケース
相談時の状況
ご本人よりお電話でご相談いただき、外出が困難な方でしたのでご自宅へ伺いました。
社労士による見解
この方は約5年前にうつ病を発症されましたが、障害認定日(初診日から1年6か月経過した日)の頃に一旦寛解となり、治療を中断しておられました。
ところが数か月前から再度抑うつ・不眠・思考制止などの症状がでるようになり、再び同じクリニックを受診されました。何度か受診したのちに医師からの勧めで休職されたのですが、通院されていたクリニックは職場近くにあったため、自宅近くのクリニックへ転医しておられました。
ご本人の状態を拝見したところうつ症状がかなり強くでていましたので、障害等級2級に該当する可能性が高いと考えました。
受任してから申請までに行ったこと
障害認定日時点はちょうど寛解された頃でしたので遡及請求は諦め、現時点の症状だけを審査してもらう事後重症請求を行うこととなりました。
ところが最近通院するようになったクリニックの医師へ障害年金について相談してもらったところ、障害年金制度に否定的な考えを持っている医師だったようで、診断書は書きたくないと言われてしまいました。
医師は診断書の作成を正当な理由なく拒んではならない旨が、医師法で定められています。そのため法律を盾にとれば、医師に無理やり診断書を書いてもらうことは可能です。しかし診断書の内容は、医師の判断に任されています。内科系の疾患などであれば検査数値から障害状態をある程度判断することができるのですが、精神疾患は完全に医師の主観で書かれますので、無理やり診断書を作成してもらっても審査に通る内容にはならないでしょう。障害年金制度のことを良く思っていない医師だと、わざと障害年金の対象とならない病名に診断を変えられてしまうことも実際にありました。
そこでこの方には、ご自宅の近くで信頼できるクリニックをお教えし、転医していただきました。新しいクリニックでしばらく診察を受けていただき、そのうえで診断書を作成していただきました。
結果
無事、障害厚生年金2級に認められました。
大変残念なことですが、障害年金制度を快く思っておられない精神科医は実際にいらっしゃいます。中には障害年金の相談をしただけで怒り出し、「自分の仕事は診断書を書くことではない!」などと言いだす方もいらっしゃいました。
このような医師に無理やり診断書を書いてもらっても、実態とかけ離れたいい加減な内容で出来上がってきます。当然ですがそのような診断書で申請しても、障害年金は支給されません。
どこの病院が信用できるのか、またどこの病院が信頼できないのかということは、ある程度障害年金の経験を積んだ社労士なら把握していると思いますので、まずは経験豊富な社労士へご相談いただくことをお勧めします。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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