うつ病で社会的治癒が認められて障害厚生年金2級を受給できたケース(事例№6347)
相談時の状況
うつ病を患っておられる50代の女性について、病院の相談員さんからご紹介いただきました。
社労士による見解
この方は約15年前に、不眠・不安感・抑うつなどの症状を自覚され、近くの精神科クリニックを受診されました。
投薬治療を受けたところ数か月で症状が改善したため、通院を終了されました。
その後は問題なく社会生活を営まれていましたが、夫との不仲が原因で約8年前から不調をきたすようになり、再度同じクリニックへ通院するようになったそうです。
しかし投薬治療を受けても症状は改善せず、転医を繰り返して1年前から現在の精神病院へ通うようになりました。
本来初診日は精神的な症状を訴えて初めて受診したところですので、原則であれば約15年前に近くの精神科クリニックを受診した日が初診日です。
しかし、年金や健康保険などの社会保険には、「社会的治癒」という考え方があります。
これは、投薬などの治療を受ける必要が無くなり、数年にわたって問題なく社会生活を営めていた方が、再び不調となって治療を再開した場合は、年金額が減るなどの不利益を被らないよう再発した時点を初診日として認めてもらえる法理です。
この方も約15年前は数か月で改善し、その後通院することなく普通に生活できていましたので、約8年前に再び受診した時点を初診日として認めてもらえる可能性があると考えました。
受任してから申請までに行ったこと
最初のクリニックへ受診状況等証明書(初診証明)を依頼する際は、社会的治癒が認められやすくするため、15年前の初診時のことだけでなく、その後の経緯や8年前の再診時のことも書いてもらいました。
診断書を依頼する際も、15年前の初診時から現在までの状況を本人から詳細にヒアリングし、こちらで文書にまとめたものを受診時に医師へお渡しいただきました。
病歴就労状況等申立書を作成する際は、今回の状況が社会的治癒に該当する旨の説明文もしっかり記載しておきました。
結果
無事に再診時が初診日に認められ、障害厚生年金2級に決まりました。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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