審査で不当に社会的治癒を適用されかけたケース

相談時の状況

持続性気分障害を約25年間患っておられる50代女性からご相談いただきました。

主治医から、障害年金の申請を勧められたそうです。

 

社労士による見解

この方は約25年前に、家族の死がきっかけでうつ症状が出現するようになり、精神科を受診したところ気分変調症と診断されました。
その後、投薬治療を約2年間続けたことで症状が改善し、一旦通院を終了されました。

しかし、その5年後に再び不眠や希死念慮などの症状が出現するようになったため、別の精神科へ通院するようになりました。

その後は何度か転医されましたが、症状は良くならず、現在も治療を継続しておられました。

 

受任してから申請までに行ったこと

約25年前に初めて受診された精神科ではカルテが残されており、受診状況等証明書(初診日証明)を問題なくお書きいただけました。
診断書も問題の無い内容で作成していただくことができ、スムーズに申請まで進めることができました。


ところが申請から数か月後に、年金事務所から連絡が入りました。

初診日はこちらが主張した25年前ではなく、再発した時点であると審査機関が判断したため、再発時に受診した精神科で初診証明を取得して追加提出するように、とのことでした。

これは、一旦寛解してその後5年間通院治療を受ける必要がなくなっていたため、審査担当者が『社会的治癒』を適用しようとしているものと判断しました。

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『社会的治癒』とは?

症状が社会復帰可能な状態となり、かつ治療投薬を必要としない期間が数年に渡ってあった場合に、再発した時点を初診日と見なす考え方。
明確な制度や決まりとして存在するわけでは無く、実は非常に不確かなもの。
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通常なら初診日が変更されても問題は無かったのですが、この方は国民年金保険料の滞納がかなりあったため、再発した時点を初診日にされてしまうと納付要件を満たしていませんでした。

しかし『社会的治癒』とは、本来は請求者を救済するために考え出されたものです。
受給権を否定するための根拠として援用することは、社会的治癒の法理に反する旨の裁決が、過去の審査請求事例で明らかにされています。


年金機構から指示が出た以上は、指示通りに新たな受診状況等証明書を提出しなければなりません。

ですので直ぐに医療機関へ作成依頼しましたが、それと並行して国立国会図書館へ出向き、社会的治癒の不当な摘要を指摘した過去の裁決集をコピーしてきました。

そして受診状況等証明書を追加提出する際にそのコピーも添付し、さらに病歴就労状況等申立書へ、社会的治癒の摘要が不当である旨を説明する文章も付け加えました。

 

結果

無事当初から主張していた日が初診日と認められ、障害厚生年金2級に決まりました。

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