事例№5360・障害厚生年金3級が支給停止になっていたが2級で受給再開できたケース
相談時の状況
長年うつ病を患っておられる50代の男性からご相談いただきました。
どうも、ずいぶん前に障害厚生年金3級を受給されていたものの、いつの頃からか支給が停止され、そのままになっていたそうです。
支給停止のままになっていることを最近になって弟さんが知り、当センターへ一度相談してみるよう指示されたようでした。
病名はうつ病とのことでしたが、話し方から刺激性や易怒性が感じられ、観念奔逸の傾向も見られましたので、ご本人だけでは状況を正確にお話しいただくことが困難と考え、弟さんと一緒に面談へお越しいただくことにしました。
社労士による見解
面談には、過去に年金機構へ提出された書類一式のコピーをお持ちいたところ、支給開始は20年も前で、1回目の更新で早くも停止されていたことがわかりました。
3級に認められた最初の診断書を見ると、軽いうつ病という印象で、3級にギリギリ届くくらいの内容でした。
支給停止となった更新時の診断書を見ると、初めとは別の医師が書かれており、日常生活に何の問題もないとする内容でした。
しかしご本人を前にすると、とてもそのような状態には見えません。
私は精神科医でもカウンセラーでもありませんので医学的な判断はもちろんできませんが、これまで何千人もの精神障害を抱えた方々とお話ししてきましたので、うつ病という診断には強い違和感を覚えました。
これはよくあることなのですが、双極性感情障害(特にⅡ型)のような症状が出ている方は、診断書の日常生活能力についての項目を実態よりも軽い障害状態で書かれてしまうことが良くあります。
それは、うつ症状が強く出ているときは外出もできなくなるため、比較的気分が上がっているときに受診することが多くなります。
そうすると医師に元気な印象を持たれてしまい、診断書に影響が出てしまうように感じます。
またこの方は受診時に、日常生活の状況などについてあまり医師には伝えていないとのことでしたので、正しい障害状態が伝わっていない可能性が高いと感じました。
受任してから申請までに行ったこと
まずはご本人と弟さんから、発症から現在までの状況や、日常生活の様子などについて詳しくヒアリングしました。
それを文書として詳細にまとめ、受診時に医師へお渡しいただいたところ、障害状態を正しく認識していただくことができ、2級相当の内容で診断書をお書きいただくことができました。
結果
無事支給停止は解除され、等級も以前の3級から2級に変わりました。
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