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長年引き籠っている娘を両親が支えきれなくなったケース(事例№5889)

相談時の状況

長年精神科に通院しておられる30代後半の妹さんについて、お兄様からご相談いただきました。

お兄様は長年妹さんとは離れて暮らしておられ、状況をあまり把握されてなかったそうです。

ご両親が面倒を見ておられましたが、体調不良からお兄様がサポートすることになったものの、ゆくゆくは自立させてやりたいとのお考えから障害年金を検討しているとのことでした。

 

社労士による見解

詳しくお話を伺うと、この方は幼少期から人との関りが苦手で、いつも孤立していたそうです。

学年が上がるほど勉強にもついていけなくなり、中学からはいじめられるようにもなって、2年生から不登校となりました。

両親に連れられて精神病院へ通うようになりましたが改善は見られず、中学卒業後から現在まで、自宅へ引き籠って生活されていたそうです。

なかなか改善が見られないため、様々な精神科を渡り歩きましたが、状態は悪化する一方でした。

20歳を過ぎると感情のコントロールができなくなり、「死にたい」と叫びながら家の中を暴れまわるようになったため、度々入院もされていました。

医師の診断名は聞いていないとのことでしたが、場の空気が読めない、人の気持ちが理解できない、あいまいな表現がわからない、思ったことをなんでも口にして相手を怒らす、人に興味がない、という特徴に加えて、少しでも複雑な会話や文章は理解できない、頑張っても勉強についていけない、という傾向がありましたので、おそらくは自閉症スペクトラム障害と、境界知能もしくは軽度知的障害もあるように感じました。

またその二次障害として、双極性感情障害を発症されている可能性が高いと判断しました。

 

受任してから申請までに行ったこと

最初の精神病院を受診されてから15年程経過していましたが、その病院はカルテを長期間保管されることを知っていましたので、すぐに受診状況等証明書の作成を依頼しました。

そして現在の主治医に診断書作成依頼をしていただく際は、詳細なヒアリングに基づく幼少期から現在までの経緯をまとめた文書を受診時にお渡しいただいたところ、問題の無い内容でお書きいただくことができました。

傷病名は、「2型双極性感情障害、境界知能、発達障害傾向(グレーゾーン)」とされていました。

 

結果

無事、障害基礎年金2級に決まりました。

 

社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)

舩田 光朗
舩田 光朗社会保険労務士
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