医師から障害年金は無理と言われていたが発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6416)
相談時の状況
自閉症スペクトラム障害の診断を受けておられる20代前半の娘さんについて、お母様からご相談いただきました。
就労できない状態が続いているため障害年金を受給したいと考えたそうですが、以前ご本人から主治医へ相談されたところ、受給は非常に難しいと言われてしまい、ショックを受けて諦めていたことでした。
社労士による見解
この方は幼少期から大きな音が苦手で、特に男性の怒鳴り声を極端に嫌がったそうです。
大変大人しく、自分から他人に話しかけることもほとんどありませんでした。
小学校でも孤立することはありませんでしたが、人と話すことが苦手で、3人以上で会話するときは聞き分けが困難で、誰が何を言ったのかわからなくなりました。
場の空気が読めず、相手の気持ちも理解しづらかったため、意図せず失礼なことを口にすることを恐れて考えすぎてしまい話す内容を慎重に考えてスピードについていけなくなることがよくありました。
またマルチタスクも苦手で、授業中は先生の話を聞きながらノートを取ることができませんでした。
幼少期から生きづらさを感じながら過ごしていくうちに、高校に上がったことから希死念慮が出現するようになり、自分は20歳までに死んでしまうだろうと漠然と考えていたそうです。
段々と登校できない日が増えていき、このままでは進級できないと心配した母に連れられて、高校2年生の頃から精神科クリニックへ通院するようになりました。
高校卒業後は通信制大学へ進学しましたが、課題提出が精神的負担となったため中退しました。
何度かアルバイトにチャレンジしてみましたが、臨機応変な対応ができないためパニック状態になったり、同僚とうまくコミュニケーションが取れなかったりして、いつも短期間で辞めてしまいました。
以前主治医に障害年金の相談をしたが否定されたとのことでしたが、その医師とは過去に何度もやり取りをしたことがあり、そのような否定的なことを言う先生ではないと知っていましたので、おそらくはご本人の思い込みであろうと考えました。
障害状態から考えて障害等級2級以上に該当する可能性が高いと感じましたので、当センターからも障害年金の申請を勧められた旨を、お母様から医師へお伝えいただくようお願いしました。
受任してから申請までに行ったこと
受診時にお母様から主治医にご相談いただいたところ、やはり好意的な返答をいただけました。
すぐにこの方の幼少期から現在までの経緯や日常生活の状況などについて詳しくまとめた資料を作成し、クリニックへお送りしたところ、実態に即した問題のない内容で診断書をお書きいただけました。
病歴就労状況等申立書は、お母様からのヒアリングに基づいて生まれた日から現在までの状況について詳しくまとめました。
結果
無事、20歳になった時点まで遡って障害基礎年金2級に決まりました。
個人差はありますが、発達障害がある方は、思い込みから相手の話す内容を否定的にとらえてしまう傾向が見られるように思います。
また実際に医師から否定的なことを言われた場合でも、お会いしてみると十分障害年金を受給できる状態とわかり、申請して等級に認められることも珍しくありません。
どのような場合でも、一度こちらへご相談してみていただければと思います。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
-
当サイトをご覧いただきありがとうございます。当事務所は京都を中心に、府内全域を対象として、障害年金の申請サポートを行っております。(※相談は全国対応です。)
「相談して良かった」「やるべきことが明確になった」と、相談後には気持ちが前向きに、軽くなれる様、耳を傾け、アドバイスすることを心掛けております。まずはお気軽に相談ください。
- 11月 22, 2024内臓系の障害IgA腎症からの腎不全で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6820)
- 11月 15, 2024精神の障害統合失調症で障害基礎年金2級に5年遡って認められたケース(事例№6866)
- 11月 8, 2024肢体の障害指が全く動かせないのに不支給とされたが審査請求で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6628)
- 11月 1, 2024精神の障害軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6860)
関連記事
クイックタグから関連記事を探す
「知的障害・発達障害」の記事一覧
- 軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6860)
- 障害認定日より1年以上経過した現症日の診断書で遡及請求が認められたケース(事例№6387)
- 50歳前で発覚した軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6712)
- 【発達障害で障害基礎年金2級】50歳を超えてから発覚したADHDで受給できたケース
- 初診日について間違った内容を診断書に書かれたが障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6585)
- 自閉症スペクトラムで障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6505)
- ADHDと双極性障害で障害基礎年金2級に障害認定日まで遡って認められたケース(事例№6489)
- 働きながらでもADHDで障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6111)
- どこにも通院していなかったが知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6369)
- 働きながらでも発達障害で障害厚生年金2級に5年遡及で認められたケース(事例№6321)
- 強迫性障害で長年治療を受けていたが障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6315)
- 重度知的障害なのに申請できないと言われていた方が障害基礎年金1級に永久固定で認められたケース(事例№6299)
- 【知的障害で障害基礎年金2級】境界知能だったが生活への支障を申立書に反映し受給出来たケース
- 自分で障害基礎年金の申請をして不支給になっていたが、障害厚生年金で再チャレンジし2級に認められたケース(事例№6030)
- 自閉症スペクトラム障害と注意欠如多動性障害について自分で申請し不支給とされていたケース(事例№6183)
- 【ASD・ADHDで障害厚生年金2級】社会的治癒が認められ受給できたケース
- 母親がうつ病で障害年金手続きしようとしたが制度が難しく困っておられたケース(事例№5981)
- 他の社労士がサポートして不支給になっていたケース(事例№5875)
- 一度不支給とされたが再チャレンジで障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5950)
- 長年引き籠っている娘を両親が支えきれなくなったケース(事例№5889)
- 知的障害で障害基礎年金2級を受けていたが更新時に診断書作成を断られていたケース(事例№6011)
- 最近まで一般就労できていたが永久固定で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5807)
- 初診証明が困難だったが知的障害と判明して問題なくなったケース(事例№5167)
- 障害年金を受けることに抵抗を感じておられたケース(事例№267)
- 当時の診察券だけで初診日を証明し障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5704)
- 軽度知的障害で障害基礎年金2級に永久固定で認められたケース(事例№5782)
- 自閉症スペクトラムで障害基礎年金1級に認められたケース(事例№5767)
- 長年一般就労できていたが軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5462)
- 医師から無理だと言われていたが働きながらでも障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5717)
- 40代で初めて診断された軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5465)
- 弁護士でも窓口担当者に申請受付を拒否されていたケース(事例№5487)
- 大学に通いながら発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5434)
- 知的障害で障害基礎年金2級を受給していたが支給を停止されていたケース(事例№5230)
- 精神障害専門と謳う社労士が信用できないとして医師からご相談いただいたケース(事例№5493)
- 知的障害と発達障害で障害基礎年金2級に永久固定で認められたケース(事例№5349)
- 発達障害で申請したが不支給となり再チャレンジしたケース(事例№5320)
- 【発達障害で障害基礎年金2級】一度不支給になったが再度申請して受給できたケース
- 3級にも該当せず不支給とされたが審査請求で2級に変更されたケース(事例№5100)
- フルタイム勤務しながら発達障害で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№5288)
- 発達障害で障害年金を受給していたが違法薬物の影響を疑われ支給を停止されていたケース(事例№5219)
- IQ67の軽度知的障害で障害基礎年金1級に認められたケース(事例№5199)
- 不支給からの再チャレンジでカルテの提出を求められたケース(事例№5083)
- 準社員で働きながら障害厚生年金2級に認められたケース(事例№5214)
- 自閉症で長年受給していたが突然支給停止されたケース(事例№5094)
- 不支給のときとほぼ同じ内容の診断書で再度申請し認められたケース(事例№266)
- 初診のカルテが破棄されたと思い込んでおられたがアスペルガー症候群で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5018)
- 発達障害で毎回ほぼ同じ内容の診断書を提出し3回目で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5136)
- 中等度の知的障害でも不支給になっていたケース(事例№709)
- 初診日を状況証拠などで証明し発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№294)
- 軽度知的障害のあるご本人が医療機関を混乱させていたが障害基礎年金2級に認められたケース(事例№256)
- 知的障害と発達障害で申請して不支給になっていたが再チャレンジで障害基礎年金2級に認められたケース(事例№35)
- 通院したことがない知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№463)
- 発達障害で20歳まで遡って障害基礎年金2級に認められたケース(事例№462)
- 就労支援A型で働きながら知的障害と発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№1519)
- 小脳低形成症で相談され発達障害で障害年金申請したケース(事例№53)
- 発達障害で障害年金を申請しようとしたがどこの社労士に相談しても無理と言われていたケース(事例№458)
- 60歳を超えてから発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- IQが高いため医師から無理と言われたが軽度知的障害で障害基礎年金1級に認められたケース
- 50代後半で知的障害が発覚し障害基礎年金2級に認められたケース
- 神経線維腫症Ⅰ型と軽度知的障害で障害基礎年金1級に認められたケース
- 二次障害が無い軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 自閉症スペクトラムで障害基礎年金1級に認められたケース
- 医師から無理だと言われていたが発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- いくつもの精神科で医師に嫌がられていたが発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 一般就労していたが軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 二次障害のない広汎性発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 発達障害での障害年金請求についてご自身で年金事務所へ相談されていたケース
- 幼少期に一度受診しただけだったが発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 面談時に軽度知的障害がわかり障害基礎年金2級を受給できたケース
- 診断書を書けないと言われていたが発達障害と知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 主治医から障害年金は無理だと言われていたが軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 摂食障害で通院していたが知的障害とわかり障害基礎年金2級に認められたケース
- 診断書のポイントがずれていたため知的障害と認められなかったケース
- 医師から診断書の書きようがないと言われていたが発達障害で障害基礎年金2級を受給できたケース
- 【知的障害で障害基礎年金2級】軽度精神遅滞で2級に永久認定されたケース
- 過去一度も診察を受けたことが無かったが軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 知的障害を初めて医師に診てもらい数か月後に申請して永久固定で障害基礎年金2級に認められたケース
- 重い知的障害なのに不支給とされていたが永久固定で障害基礎年金2級に認められたケース
- 知的障害で診断書を軽く書かれ困っていたが障害基礎年金2級を永久固定で受給できたケース
- 自閉症スペクトラムで障害基礎年金2級に認めら遡及も行われたケース
- 中等度の精神遅滞で障害基礎年金1級に認められたケース
- 【ASDで障害基礎年金2級】障害者雇用でフルタイム勤務できていたが受給できたケース
- わざと審査に通らない内容に診断書を書き直されたが知的障害で障害基礎年金2級を受給できたケース
- アスペルガー症候群と統合失調症で障害基礎年金2級に認められたケース
- DQ56の知的障害だが不支給となり再チャレンジで障害基礎年金2級を受給できたケース
- 広汎性発達障害とうつ病で障害厚生年金2級に認められたケース
- DQ39の知的障害だが病歴就労状況等申立書に問題があって不支給とされていたケース
- DQ69の軽度精神遅滞で障害基礎年金2級に認められたケース
- 当センター相談後に精神遅滞と発達障害であることが分かり障害基礎年金2級に認められたケース
- 軽度の知的障害とうつ病で障害基礎年金2級に認められたケース
- 広汎性発達障害と知的障害で障害基礎年金2級を受給できたケース
- 審査に通らない病名で診断書を書かれたが障害厚生年金3級に認められたケース
- アスペルガー症候群と双極性感情障害で障害基礎年金2級が認められたケース
- アスペルガー症候群で障害基礎年金2級に認められ遡及も行われたケース