どこにも通院していなかったが知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6369)
相談時の状況
障害年金がもらえるかもしれないから相談するようにと、当法人の電話番号を知り合いから教えてもらったとのことで、30代の女性からお電話がありました。
詳しくお話を伺おうとしましたが、こちらの質問があまり理解できない様子で、ご自身の障害についてもよくわかっておられませんでした。
おそらくは精神の障害で、根本的な原因として軽度の精神遅滞があるように感じましたので、ご家族と一緒に面談へお越しいただくようお願いしました。
社労士による見解
面談にはお母様にもお越しいただけましたが、ご本人同様に話が通じにくく、障害についても認識しておられませんでした。
しかし、詳しくお話を聞いていくと、何かわからないが過去に1回だけ病院で検査を受けたことがあるとのことでしたので、おそらくは発達検査か知能検査だろうと推測しましたが、継続して受診したことはなく、現在も通院はしていないとのことでした。
精神遅滞があることは間違いないと感じましたので、当法人のサービス内容や契約内容をご説明し、サポートを行うこととなりました。
受任してから申請までに行ったこと
ご本人とお母様の同意を得たうえで、一度検査を受けたとおっしゃられた病院へ確認してみることにしました。
その病院には、以前からよくお世話になっているソーシャルワーカーさんがいらっしゃいましたので、事情を説明して過去の検査結果を調べてもらったところ、やはりIQ60台の軽度知的障害であることがわかりました。
知的障害と認められる場合は、特例で生まれた日が初診日として扱われ、年金保険料の納付要件も問われません。
しかし、障害年金請求を行うためには医師の診断書が必要なのですが、この方はどこにも通院されたことが無く、現在も受診されていませんでしたので、改めて精神科を受診してもらう必要がありました。
その病院の精神科は患者数が飽和状態であるため少し前から新患の受付をストップされていましたが、過去に検査で一度だけ受診されたことがあり、二次障害のない知的障害であるため継続して通院する必要がないことから、特別に受診させてもらうことができました。
受診前に幼少期から現在までの状況について詳しくまとめた資料を病院へお送りし、医師にお読みいただいたうえで診察してもらうことで、効率的に状況や障害状態を理解してもらうことができました。
結果
無事、障害基礎年金2級に決まりました。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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