当センター相談後に精神遅滞と発達障害であることが分かり障害基礎年金2級に認められたケース
相談時の状況
社会福祉士をしておられるご主人より、お電話で奥様のことをご相談いただきました。お電話で簡単にお話を伺ったところ、数年前から記憶障害と思われる症状がみられるようになり、若年性認知症を疑って神経内科を何度が受診しておられましたが、毎回医師と合わず、認知症と正式に診断されたことは無いようでした。
最近になって脳神経外科を受診された際にくも膜のう胞が見つかり、脳の圧迫による障害の可能性がでてきたため、障害年金を申請するにあたってどのように進めていけばよいのか教えてほしいとのご要望でしたので、後日ご主人だけ無料相談会にご参加いただきました。
社労士による見解
面談にお越しいただいた時点では、くも膜のう胞による影響かどうかの検査結果は出ておりませんでしたが、奥様の症状について詳しくお話を伺ったところ、以前から抑うつなどの症状がでていたこともわかりました。
またご結婚された約10年前からの状況も詳しく伺ったところ、発達障害や精神遅滞と思われる行動や言動が多数あったことがわかりました。
受任してから申請までに行ったこと
後日明らかになった脳神経外科での検査結果を確認したところ、くも膜のう胞による影響はないとのことでした。
そこで奥様の過去の言動から発達障害や知的障害の可能性があることをご主人にお伝えし、改めて大学病院の精神科を受診していただきました。発達検査を受けていただいたところ広汎性発達障害であったことが判明し、IQも60台であったことがわかりました。
原則として障害年金制度では初めて医師の診察を受けた日が初診日とされるのですが、知的障害が認められる場合は生まれた日が初診日として扱われます。
また知的障害や発達障害で申請する場合は、生まれた日から現在までの状況を、3~5年ごとで文章にまとめていかなければなりません。
幼少期からのご結婚されるまでの状況についてはご主人もご存じありませんでしたので、お母様にお電話でヒアリングを行い、成育歴を参考資料としてまとめて医師へお渡しいただきました。
結果
無事、障害基礎年金の2級に認められました。
いくら症状を訴えて医師の診察を受けても、症状がその医師の専門外の疾患によるものであれば、なかなか病名が判明しないことがあります。ご本人に病識が無い場合でも、第三者が客観的に状態を拝見することで症状に気づくこともあります。
障害年金は病名や原因が判明していなくても、障害状態にあることが明らかであれば支給される場合もありますので、まずは経験豊富な専門家へご相談ください。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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