広汎性発達障害と知的障害で障害基礎年金2級を受給できたケース
ご相談にいらした状況
お父様からお電話でご相談いただき、後日ご本人と一緒に無料相談会へご参加いただきました。
社労士舩田による見解
医師から告げられている傷病名は広汎性発達障害で、見た目はおしゃれにも気を使っているごく普通の方という印象でした。
小中高校と全て普通学級に通っておられ、高校卒業後は一般雇用で就職し、一度結婚してお子様ももうけておられたことがありました。
ご本人と会話したところ、確かにコミュニケーション能力に少し難があるようでしたが、それほど大きな問題は無く、障害等級3級に該当するかどうかも微妙でした。
受任から申請までに行ったこと
成人し、就職しておられた頃に初診日がありましたので、当初は障害厚生年金で進めていました。
ところが医師に診断書の作成を依頼し、知能検査を受けてもらったところ、IQは60台で軽度の知的障害が認められる可能性が高い数値でした。
広汎性発達障害によるコミュニケーション能力不足が影響してか、ご家族も知的障害があると気付いておられなかったようです。
知的障害が認められる場合は、医師の診断を受けていなくても生まれた日が初診日であると判断され、国民年金が対象となります。
この方は広汎性発達障害だけだと3級も難しい状況でしたが、知的障害も合わせて主張すれば2級の可能性もあると判断しました。
最初に作成していただいた診断書は傷病名が広汎性発達障害のみで、知的障害の程度を判断する項目も空欄なっておりましたので、医師へご説明し、傷病名と知的障害に関する症状の記載も追加していただきました。
結果
無事、障害基礎年金の2級に認められました。
広汎性発達障害だけの場合は、初めて医師の診察を受けた日が初診日です。
しかし、併せて知的障害も認められる場合は、医師の診察を有無に関係なく生まれた日が初診日とされます。
ところが知的障害の有無はIQだけで判断されるのではなく、数値による明確な基準も設けられておりません。
IQ数値がボーダー上であり、学校も普通学級に通われていた場合は、知的障害とみなされない場合もありますので注意が必要です。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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