僅かな証拠に状況説明を加えて初診日が認められたケース

相談時の状況

とある大学病院の臨床心理士の方から、ASDとADHDの診断を受けておられる30代男性の患者様をご紹介いただきました。

医師の勧めもあり、障害年金の手続きを進めておられたのですが、初診日時点のカルテは既に破棄されており、どうすればよいのかわからなくなっておられました。

 

社労士による見解

この方は幼少期の頃から酷い聴覚過敏があり、複数の人との会話が苦手だったそうです。
小学校では忘れ物が多く、机の中はいつもぐちゃぐちゃでした。
学校での人間関係がうまくいかず、直ぐにいじめられるようになったそうです。
ストレスから抜毛するようになり、いつも死にたいと考えるようになっていました。
中学校でも状況は変わらず、いじめが辛くて休みがちだったそうです。
高校では1年の冬頃から不登校になってしまい、親の勧めで精神科に通うようになったそうです。
最初の精神科では適応障害と診断されましたが、18歳に転医すると、そこの医師からは発達障害と診断されました。

約5年前からは現在の大学病院へ通院しておられましたが、障害状態に改善は見られませんでした。

障害年金は、初診日を証明できなければ受給することができません。
「初診日」というくらいですから、原則は一番最初に医師の診療を受けた日を証明しなければなりません。

しかし20歳前障害は特別で、20歳前(正確には初めて年金の被保険者になる前)に医師の診療を受けたことを証明できれば、実務上問題ありません。
なぜなら、障害年金は20歳にならなければ申請できず、例えば初診が2歳でも17歳でも一緒だからです。

この方は20歳までに2つの医療機関を受診していましたが、どちらでもカルテは既に破棄されていました。

カルテが無くても、それに代わる客観的証拠が残っていれば、初診日を証明できるケースは多くあります。

当時の日付が書かれた診察券などがあればよかったのですが、残っていたのは、2つ目の医療機関で発行された予約票だけでした。

 

受任してから申請までに行ったこと

当時の予約票だけを客観的証拠として申請してみたのですが、数か月後に年金機構から、「それだけでは初診日と認めることができない」とされてしまい、他の証拠を追加提出するよう求めてきました。

やはり、当時「予約していた」ことだけでは、「実際に受診したのかどうかわからない」と判断されてしまったようです。


そこで、もう一度ご実家を捜索してもらったところ、「1つ目の医療機関で集中内観を受けた際の感想文」と、「当時病院が発行した外来スケジュール表」が見つかったとの連絡が入りました。

医療機関で集中内観を受けた際の感想文であれば、その医療機関を受診していた確実な証拠になります。
それさえあれば間違いなく初診日を証明できると思ったのですが、実物を郵送してもらってみると、日付は書かれていたものの、医療機関名は記載がありませんでした。

しかも内容をよく読んでみると、集中内観を実施したのは医療機関ではなく、臨床心理士協会が運営している内観研修所でした。
これでは、医師の診療があった証拠にはなりません。

外来スケジュール表も、それをもっていただけでは受診したことの証明にはなりません。


しかし、これ以上の証拠は見つかりそうもありませんでしたので、「2つ目の医療機関の予約票」「1つ目の医療機関の外来スケジュール表」「臨床心理士協会運営施設での集中内観感想文」だけで、何とか初診日を証明できないかと考えました。

インターネットで調べてみると、1つ目の医療機関の主治医は、内観研修所の所長と個人的な繋がりがあり、当時は定期的に患者を研修所に送り込んで集中内観を受けさせていたと推測できる情報を発見しました。

1つ目の医療機関との繋がりを明確に証明できる情報は見つかりませんでしたが、当時の所長のブログからそういう関係にあったことを推測できるページをプリントアウトし、説明文を書き加えたうえで年金機構へ提出しました。

また「外来スケジュール表」も、病院へ確認したところ、当時は病院内にしか設置していなかったこともわかりましたので、少なくとも病院内には入ったことがあるはずだ、という説明も加えました。

 

結果

無事初診が認められ、障害基礎年金2級に決まりました。

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