知的障害で診断書を軽く書かれ困っていたが障害基礎年金2級を永久固定で受給できたケース
相談時の状況
お父様からちょうど20歳になる息子さんのことについてお電話でご相談いただき、後日無料相談会へご参加いただきました。
社労士による見解
息子さんは生まれてすぐに脳性麻痺であることが分かり、小学校へ上るまでボイタ訓練を受けておられました。何とか普通の子として育てたいとの思いから、小学校は無理やり普通学級へ通わせておられたのですが、やはり勉強には全くついていけず、途中から特殊学級に移されたそうです。
中学校も支援学級に進学させ、中学卒業後は少しでも手に職を付けさせたいとの考えから、支援学校へ進ませたそうです。
支援学校卒業時は障害者雇用として、10か所以上の職場へインターンシップで行かせたそうですが、どの職場でもごく簡単な作業すら覚えることができず、どこにも就職できなかったとのことでした。
お父様が将来を案じて障害年金を受給させようと手続きを進めておられたのですが、発達相談所の医師に診断書を書いてもらったところ、実態よりも軽く書かれているように感じられたため、不安になって当センターへご相談いただきました。
診断書を拝見したところ、発達指数は53でしたのでそれだけでも日常生活に支障がでているであろうことは容易に想像できました。しかしそれ以外の項目を見ると明らかに軽く書かれており、このままの内容で申請すると不支給とされてしまう可能性が高いと判断しました。
受任してから申請までに行ったこと
信用できる医師がおられる医療機関をお教えし、直ぐに予約を取っていただきました。
そして医師に成育歴などを直ぐにお分かりいただけるよう、お父様やお母様から細かくヒアリングした内容を元に詳細な資料を当センターで作成し、初診時に医師へお渡しいただきました。
幸いにもうつなどの二次障害が無く、通院の必要はありませんでしたので、直ぐに診断書をご作成いただけました。
結果
無事、更新の必要が無い永久固定で、障害基礎年金2級に認められました。
知的障害をお持ちのお子さんのご家族や、通院されている病院の相談員の方から、障害年金の申請をしたが通らなかったというご相談が後を絶ちません。
その原因は、知的障害における障害等級の認定基準に、『知能指数のみに着眼することなく、日常生活のさまざまな場面における援助の必要度を勘案して総合的に判断する』と書かれていることにあります。『知能指数だけでは判断しない』と明言しているわけですから、IQやDQが明らかに低くても、日常生活に支障が出ていないと判断されれば、障害年金は支給されないわけです。
日常生活に支障が出ているかどうかは、診断書や病歴就労状況等申立書の内容を見て判断されます。
書類のちょっとした書き方一つで不支給とされてしまうことがありますので、まずは経験豊富な専門家へご相談いただくことをお勧めします。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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