障害認定日より1年以上経過した現症日の診断書で遡及請求が認められたケース(事例№6387)
相談時の状況
軽度知的障害がある20歳の女性について、障害者就労支援センターの相談員さんからご相談いただきました。
この方は療育手帳Bをお持ちでしたが、精神科には一切かかったことがないとのことでした。
社労士による見解
お母様に詳しくお話を伺ったところ、この方は幼少期から聴覚過敏があり、現在でも大きい物音がするとパニックになることがあるとのことでした。
また自分のルールから外れる出来事が起きてもパニックになり、泣いたり暴れたりしたそうです。
小学校は普通学級で入学しました。
真面目な性格でコツコツと勉強に取り組んでいましたが、算数が全く理解できず、母がいくら説明しても「1+1」が理解できませんでした。
高学年になると、担任教師から勧められて週に何度か支援学級へ行くようになったそうです。
しかし母は障害を認められず、中学校も普通学級で入学させました。
本人は当初からつらかったようで、夏休み明けから登校できなくなりました。
後から発覚しましたが、いじめにもあっていたようです。
担任教師からの勧めで児童相談所へ行き、検査を受けたところ軽度知的障害と判明し、療育手帳が発行されました。
2年生からは支援学級へ移り、卒業後は支援学校へ進みました。
支援学校では友達ができ、次いで彼氏もできて喜んでいました。
母親は子供ができるようなことをしないよう注意していましたが、3年生のときに妊娠が発覚し、出産しました。
相手の男性も知的障害があるため当てにすることができず、現在は連絡すら取っていないそうです。
本人も、経済的なことはもちろん、赤ちゃんの世話すらまともにできないため、おばあちゃんである本人の母親が全て面倒を見ていました。
本人は今後も自立できる見込みが無く、子供どころか自分の身の回りのことすら満足にできない状況でした。
また本人は子供を作ってはいけない理由が理解できないため、今後も子供ができる行為に及ぶ可能性があるため、常に本人の行動を家族が監視する必要もありました。
受任してから申請までに行ったこと
この方は精神的な障害について、一度も医師の診療を受けたことがありませんでした。
本来であれば未だ初診日すら発生していない状況で、まずは受診して障害認定日(初診日から1年6か月経過した日)を待たなければ障害年金請求は行えません。
しかし知的障害があると認められる場合は受診の有無に関係なく、特例として「生まれた日が初診日」と扱われますので、この方は医師に診断書を書いてもらうことができれば、すぐにでも申請可能な状態でした。
そこで、まずは信頼できる精神科をご紹介しました。
残念ながら、患者さんからの信頼が厚い人気の神科ほど、新患予約が取れません。
最近は、新患受付を停止しておられるクリニックも多く見られます。
この方も、1年後の予約しか取れませんでした。
受診までに1年かかりましたが、受診後は比較的早くに障害状態を把握していただけ、診断書をお書きいただくことができました。
結果
無事、障害基礎年金2級に決まりました。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
-
当サイトをご覧いただきありがとうございます。当事務所は京都を中心に、府内全域を対象として、障害年金の申請サポートを行っております。(※相談は全国対応です。)
「相談して良かった」「やるべきことが明確になった」と、相談後には気持ちが前向きに、軽くなれる様、耳を傾け、アドバイスすることを心掛けております。まずはお気軽に相談ください。
- 11月 1, 2024精神の障害軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6860)
- 10月 25, 2024内臓系の障害マルファン症候群からの慢性心不全で障害厚生年金3級に認められ5年遡及も出来たケース(事例№6560)
- 10月 18, 2024その他の障害慢性疲労症候群で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6715)
- 10月 11, 2024精神の障害うつ病とパニック障害で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6843)
関連記事
クイックタグから関連記事を探す
「知的障害・発達障害」の記事一覧
- 軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6860)
- 50歳前で発覚した軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6712)
- 【発達障害で障害基礎年金2級】50歳を超えてから発覚したADHDで受給できたケース
- 初診日について間違った内容を診断書に書かれたが障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6585)
- 自閉症スペクトラムで障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6505)
- ADHDと双極性障害で障害基礎年金2級に障害認定日まで遡って認められたケース(事例№6489)
- 医師から障害年金は無理と言われていたが発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6416)
- 働きながらでもADHDで障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6111)
- どこにも通院していなかったが知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6369)
- 働きながらでも発達障害で障害厚生年金2級に5年遡及で認められたケース(事例№6321)
- 強迫性障害で長年治療を受けていたが障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6315)
- 重度知的障害なのに申請できないと言われていた方が障害基礎年金1級に永久固定で認められたケース(事例№6299)
- 【知的障害で障害基礎年金2級】境界知能だったが生活への支障を申立書に反映し受給出来たケース
- 自分で障害基礎年金の申請をして不支給になっていたが、障害厚生年金で再チャレンジし2級に認められたケース(事例№6030)
- 自閉症スペクトラム障害と注意欠如多動性障害について自分で申請し不支給とされていたケース(事例№6183)
- 【ASD・ADHDで障害厚生年金2級】社会的治癒が認められ受給できたケース
- 母親がうつ病で障害年金手続きしようとしたが制度が難しく困っておられたケース(事例№5981)
- 他の社労士がサポートして不支給になっていたケース(事例№5875)
- 一度不支給とされたが再チャレンジで障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5950)
- 長年引き籠っている娘を両親が支えきれなくなったケース(事例№5889)
- 知的障害で障害基礎年金2級を受けていたが更新時に診断書作成を断られていたケース(事例№6011)
- 最近まで一般就労できていたが永久固定で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5807)
- 初診証明が困難だったが知的障害と判明して問題なくなったケース(事例№5167)
- 障害年金を受けることに抵抗を感じておられたケース(事例№267)
- 当時の診察券だけで初診日を証明し障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5704)
- 軽度知的障害で障害基礎年金2級に永久固定で認められたケース(事例№5782)
- 自閉症スペクトラムで障害基礎年金1級に認められたケース(事例№5767)
- 長年一般就労できていたが軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5462)
- 医師から無理だと言われていたが働きながらでも障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5717)
- 40代で初めて診断された軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5465)
- 弁護士でも窓口担当者に申請受付を拒否されていたケース(事例№5487)
- 大学に通いながら発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5434)
- 知的障害で障害基礎年金2級を受給していたが支給を停止されていたケース(事例№5230)
- 精神障害専門と謳う社労士が信用できないとして医師からご相談いただいたケース(事例№5493)
- 知的障害と発達障害で障害基礎年金2級に永久固定で認められたケース(事例№5349)
- 発達障害で申請したが不支給となり再チャレンジしたケース(事例№5320)
- 【発達障害で障害基礎年金2級】一度不支給になったが再度申請して受給できたケース
- 3級にも該当せず不支給とされたが審査請求で2級に変更されたケース(事例№5100)
- フルタイム勤務しながら発達障害で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№5288)
- 発達障害で障害年金を受給していたが違法薬物の影響を疑われ支給を停止されていたケース(事例№5219)
- IQ67の軽度知的障害で障害基礎年金1級に認められたケース(事例№5199)
- 不支給からの再チャレンジでカルテの提出を求められたケース(事例№5083)
- 準社員で働きながら障害厚生年金2級に認められたケース(事例№5214)
- 自閉症で長年受給していたが突然支給停止されたケース(事例№5094)
- 不支給のときとほぼ同じ内容の診断書で再度申請し認められたケース(事例№266)
- 初診のカルテが破棄されたと思い込んでおられたがアスペルガー症候群で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5018)
- 発達障害で毎回ほぼ同じ内容の診断書を提出し3回目で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5136)
- 中等度の知的障害でも不支給になっていたケース(事例№709)
- 初診日を状況証拠などで証明し発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№294)
- 軽度知的障害のあるご本人が医療機関を混乱させていたが障害基礎年金2級に認められたケース(事例№256)
- 知的障害と発達障害で申請して不支給になっていたが再チャレンジで障害基礎年金2級に認められたケース(事例№35)
- 通院したことがない知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№463)
- 発達障害で20歳まで遡って障害基礎年金2級に認められたケース(事例№462)
- 就労支援A型で働きながら知的障害と発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№1519)
- 小脳低形成症で相談され発達障害で障害年金申請したケース(事例№53)
- 発達障害で障害年金を申請しようとしたがどこの社労士に相談しても無理と言われていたケース(事例№458)
- 60歳を超えてから発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- IQが高いため医師から無理と言われたが軽度知的障害で障害基礎年金1級に認められたケース
- 50代後半で知的障害が発覚し障害基礎年金2級に認められたケース
- 神経線維腫症Ⅰ型と軽度知的障害で障害基礎年金1級に認められたケース
- 二次障害が無い軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 自閉症スペクトラムで障害基礎年金1級に認められたケース
- 医師から無理だと言われていたが発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- いくつもの精神科で医師に嫌がられていたが発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 一般就労していたが軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 二次障害のない広汎性発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 発達障害での障害年金請求についてご自身で年金事務所へ相談されていたケース
- 幼少期に一度受診しただけだったが発達障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 面談時に軽度知的障害がわかり障害基礎年金2級を受給できたケース
- 診断書を書けないと言われていたが発達障害と知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 主治医から障害年金は無理だと言われていたが軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 摂食障害で通院していたが知的障害とわかり障害基礎年金2級に認められたケース
- 診断書のポイントがずれていたため知的障害と認められなかったケース
- 医師から診断書の書きようがないと言われていたが発達障害で障害基礎年金2級を受給できたケース
- 【知的障害で障害基礎年金2級】軽度精神遅滞で2級に永久認定されたケース
- 過去一度も診察を受けたことが無かったが軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 知的障害を初めて医師に診てもらい数か月後に申請して永久固定で障害基礎年金2級に認められたケース
- 重い知的障害なのに不支給とされていたが永久固定で障害基礎年金2級に認められたケース
- 知的障害で診断書を軽く書かれ困っていたが障害基礎年金2級を永久固定で受給できたケース
- 自閉症スペクトラムで障害基礎年金2級に認めら遡及も行われたケース
- 中等度の精神遅滞で障害基礎年金1級に認められたケース
- 【ASDで障害基礎年金2級】障害者雇用でフルタイム勤務できていたが受給できたケース
- わざと審査に通らない内容に診断書を書き直されたが知的障害で障害基礎年金2級を受給できたケース
- アスペルガー症候群と統合失調症で障害基礎年金2級に認められたケース
- DQ56の知的障害だが不支給となり再チャレンジで障害基礎年金2級を受給できたケース
- 広汎性発達障害とうつ病で障害厚生年金2級に認められたケース
- DQ39の知的障害だが病歴就労状況等申立書に問題があって不支給とされていたケース
- DQ69の軽度精神遅滞で障害基礎年金2級に認められたケース
- 当センター相談後に精神遅滞と発達障害であることが分かり障害基礎年金2級に認められたケース
- 軽度の知的障害とうつ病で障害基礎年金2級に認められたケース
- 広汎性発達障害と知的障害で障害基礎年金2級を受給できたケース
- 審査に通らない病名で診断書を書かれたが障害厚生年金3級に認められたケース
- アスペルガー症候群と双極性感情障害で障害基礎年金2級が認められたケース
- アスペルガー症候群で障害基礎年金2級に認められ遡及も行われたケース