躁状態が重い双極性感情障害で障害基礎年金2級に認められたケース
相談時の状況
初めにご本人からお電話でご相談いただきました。
お一人での無料相談会への参加をご希望されたのですが、お話の内容が支離滅裂で要領を得ず、明らかに躁状態であることがわかりました。お一人でお越しいただいても正しい情報を聞き取ることは難しいと判断し、ご家族と一緒にご参加いただくようお願いしました。
社労士による見解
ご同席いただいたお父様から詳しく話を伺ったところ、難関資格の試験勉強のストレスが原因で数年前から異常行動が見られるようになったそうです。
万能感から自分を預言者だと思い込み、「俺は絶対に轢かれない!」などと叫びながら車道の真ん中に寝ころんだりするようになったため、無理やり精神科を受診させたところ、双極性感情障害と診断されてしばらく入院されました。退院後は通院するよう言われたそうですが、うつ状態よりも躁状態であることが多く、本人は病識が全くなかったため、その後は殆ど受診されなかったようです。
しばらくは小康状態が続いたのですが、離婚をきっかけに再び情緒不安定となり、易怒性から攻撃的となって周りと喧嘩をしたり、万能感から異常行動が見られるようになったため、再び入院されました。
うつよりも躁の期間が長く、うつ状態も比較的軽かったのですが、躁状態時の異常行動から様々な問題を引き起こしてしまうため、障害等級2級に該当する可能性が高いと判断しました。
受任してから申請までに行ったこと
国民年金の保険料を滞納したことは無いと聞いていたのですが、年金事務所で年金記録を調べたところ、以前勤務していた企業が厚生年金の加入手続きを行っておらず、数年に渡って保険料未納機関があることがわかりました。しかしそれ以外の期間の保険料納付時期なども細かく調べたところ、何とかギリギリで納付要件を満たしていました。
またご本人はあまり病識が無く、元気な状態で受診されることが多かったため、医師には日常生活上の問題点や症状等についてあまり本人から医師に伝えられていないようでした。
そこでお父様から客観的なご意見を伺い、日常生活の状況等を参考資料にまとめて、診断書作成依頼時に医師へお渡しいただきました。
結果
無事、障害基礎年金2級に認められました。
医師にもよりますが、双極性感情障害の方はうつ病の方と比べて診断書を実態よりも軽く書かれてしまうことがあります。主にその原因は、うつ病の方は一貫してうつ状態にあるため医師にも実態を把握してもらいやすいのですが、双極性の方はうつ状態が酷いときは受診もできず、比較的調子が上向いているときや軽躁状態の時に受診される場合が多いように思います。そうすると医師に元気な印象を与えてしまい、障害状態を軽く書かれてしまうことがあるようです。
診察時にあまり話を聞かない医師だと双極性感情障害であることすら気付かず、軽いうつ病と診断されてしまっているケースも良く見かけます。
そうなると、高い確率で実態よりも軽い内容の診断書を書かれてしまうでしょう。後で悔やまないようにするためにも、まずは経験豊富な専門家へご相談いただくことをお勧めします。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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