双極性感情障害で障害基礎年金2級に認められたケース
相談時の状況
ご本人よりお電話でご相談いただき、後日無料相談会へご参加いただきました。
社労士による見解
実際に状態を拝見し症状についても伺ったところ、うつ状態の時は何もすることができず、過
眠傾向が強くて一日中横になって過ごしておられました。
躁状態となると一転して行動的になり、家の中の家電なども全てゴミだと判断して片っ端から
捨ててしまうそうです。
ネット通販を利用して際限なく買い物をしてしまい、いつも多額の請求が届くそうです。
躁からうつへ移行する際は情緒不安定となり、家族に暴力を振るってしまうこともよくあると
のことでしたので、障害状態は2級に該当する可能性が高いと判断しました。
しかし、この方が初めて精神的な不調を訴えて医師の診察を受けた日(初診日)は10年以上前
で、当時のカルテは既に破棄されていました。
初診日の証明ができないため、困って途方に暮れておられました。
受任してから申請までに行ったこと
初診時の状況を詳しく伺ったところ、十数年前に受診した際は一晩中家族の介護をしておられ、
その疲れで一時的に不眠を訴えておられただけでした。
直ぐに寛解し、その後は十年以上に渡って元気に社会生活を送っておられましたので、社会的
に治癒していたと考えられる状況でした。
しかしそのことについて曖昧な書き方をされてしまうと、十数年前が初診であるとの誤解を受けてしまう可能性がありましたので、初診証明の作成を依頼していただく際は、状況を詳しくお書きいただけるようお伝えしました。
結果
無事、障害基礎年金2級に認められました。
障害年金制度における初診日とは、関連があると思われる症状を訴えて初めて医師の診察を受
けた日のことです。
精神疾患でも、初めて精神科を受診した日が初診日になるとは限りません。
この判断は非常に曖昧で、どこが初診日になるのかは恐らく審査をする認定医によっても異な
ります。
初診の証明書上の記載が不足していたり曖昧だったりすると、いらぬ誤解を受けてしまうこと
があります。
障害年金に関する書類の書き方に精通している医師はおそらくいらっしゃいませんので、悪気
なく間違った書き方をされてしまい、障害年金を受け取れなくなってしまうことはよくありま
す。
正しく審査してもらえる書類を揃えるためには、経験豊富な専門家に依頼していただく必要が
あります。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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