双極性感情障害で障害厚生年金2級に認められ遡及も行われたケース
相談時の状況
ご本人からお電話でご相談いただき、後日無料相談会へご参加いただきました。
社労士による見解
詳しくお話を伺うと、この方は10年以上前から気分の波が激しく、うつ状態と躁状態を繰り返
しておられるようでしたが、当時は病識が無かったため医師の診察は一度も受けておられませ
んでした。
しかし離婚されてシングルマザーとなり、幼い子供を養育するため仕事を始められたのですが、
そのストレスから症状が悪化し、常に死にたいと考えるようになったため、異常を感じて精神
科を受診されました。
当初は抑うつ状態が続いていたためうつ病と診断されていたのですが、数か月すると躁状態が
出現したため、その時から診断名は双極性感情障害に変わりました。
躁状態に入ると無職で収入が無いときでもカードで際限なく買い物をしてしまい、うつ状態に
入ると他人との接触を全て絶ってしまうため、日常生活に大きな支障がでていました。
しかも躁からうつへ移行期はイライラして家族に暴力を振るってしまうことも多いとのことで
したので、障害等級2級に相当する可能性が高いと判断しました。
受任してから申請までに行ったこと
この方は初診日から1年6か月経過した時点(障害認定日)も現在と同じクリニックへ通院して
おられましたので、障害認定日時点と現時点の診断書をお書きいただきました。
そののちに診断書の内容も踏まえて病歴就労状況等申立書を作成し、申請しました。
結果
無事、障害厚生年金2級に認められ、約1年分の遡及も行われました。
双極性感情障害はうつ病と違い、気分に大きな波があります。
うつ状態に入ると家から一歩もでられない状態となる方も多く、比較的症状の落ち着いている
ときや躁状態の時に受診される頻度が高くなる傾向があるように思います。
そうすると医師は比較的元気な時の印象が強く残り、その認識で診断書を作成さしまうため、
実態よりも軽い内容に診断書が出来上がることがよくあります。
特にクリニックは1回の診察時間も数分で終わるケースが多いため、日常生活の様子などが詳し
く医師に伝えられていない場合が多いです。
実態に則した診断書を医師に作成してもらい、症状に見合った等級の障害年金を受給できるよ
うにするためには、まず経験豊富な専門家へ相談されることをお勧めします。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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