双極性感情障害で障害厚生年金2級を4年遡及できたケース
ご相談にこられたときの状況
ご本人お電話でご相談いただき、後日ご自宅へ伺いました。
社労士舩田による見解
抑うつ症状が酷く、ほとんど外出できず家に閉じこもって生活しておられました。
他人との接触に極度のストレスを感じるため電話にでることもできず、思考が働かないため、意思の疎通も少し困難な状態でした。
奥様からもお話しを伺ったところ、最近は躁状態の期間が短く、1日の中で躁とうつを繰り返しておられるようでした。
躁状態時は万能感が強く、収入も無いのに高価なものを買いあさったり、借金を繰り返すなどしておられたそうです。
ご本人の様子を拝見し、障害等級2級に該当する可能性が高いと判断しました。
受任から申請までに行ったこと
現在は京都在住ですが、最近まで東京で暮らしておられ、初診時と障害認定日時点のクリニックは東京でした。
ご本人は思考が働かない状態で、東京の医師とコミュニケーションをとることが難しい状態でしたので、当センターから郵送にて診断書の作成を依頼しました。
現時点の診断書は滋賀県のクリニックにご作成いただきましたが、出来上がった内容を拝見すると、記載漏れや間違った記載が多数見受けられました。
そのため診察時に同席させていただき、詳細な状況を医師へお話ししたうえで正しい内容の診断書を改めてご作成いただきました。
結果
無事障害厚生年金の2級に認められ、4年分の遡及も行われました。
精神疾患で医師に診断書をご作成いただくと、実態よりも軽い内容で書かれてしまうことがよくあります。
その原因は、主に2つあります。
1つ目は、抑うつなどの症状が酷い時は家から出ることすらできず、比較的調子の良い時しか病院に行くことができないというケースが多いためです。
医師は調子の良い時の状態しか目にしておられませんので、そのイメージで作成されてしまうことが良くあります。
2つ目は、診察時間が短く、日常生活の状況などを医師へ伝えられていないケースです。
特に個人病院は診察時間が数分しかない場合も多く、患者の状態を詳細に把握できていないことが良くあります。
そのため症状を軽く書かれたり、誤診されていることもあります。
そのため診断書を依頼する前に、改めて日頃の症状や状況等についてお伝えいただくことが重要です。普段診察時に医師へあまりお話で来ていない場合は、このことで診断名が変わることもあります。
精神疾患は特に、専門家にご依頼いただくことを強くお勧めします。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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