双極性感情障害で障害厚生年金2級に認められた事例
相談時の状況
ご友人からお電話でご相談いただきました。ご本人はうつ状態が酷く外出困難でしたので、ご友人だけ後日面談にお越しいただきました。
社労士による見解
この方は看護師をしておられたのですが、10年以上前に発症し、数か月おきに躁とうつを繰り返しておられました。躁状態の時は就業意欲が高まり、積極的に活動して転職されるのですが、2~3か月でうつ状態となり、出勤できなくなって退職することを繰り返しておられました。
うつ状態になると何もできなくなるため経済的に困窮し、しばらく生活保護を受給しておられました。しかし市の担当職員から一方的に責められて生活保護の支給を打ち切られてしまい、生活していけなくなった状況を友人が見かねて障害年金の申請を勧められたようでした。
現在までの様子を伺ったところⅡ型の双極性感情障害に当てはまる症状でした。Ⅱ型ですと躁状態時は比較的問題が少ないのですが、うつに入ると数か月間も引きこもってしまい、自殺未遂で何度か入院もされていましたので、障害等級2級に該当する可能性が高いと判断しました。
受任してから申請までに行ったこと
通院しておられた病院はケースワーカーが障害年金に詳しく、医師もかなり慣れておられるとのことでしたので、ご本人から診断書の作成を直接依頼していただきました。
しかし出来上がった診断書を見ると間違った記載や空欄がいくつもあり、審査を通過できない内容になっていましたので、正しい書き方や実際の状況について説明するための資料を作成し、それを医師にご覧いただいた上で再度診断書を作り直していただきました。
結果
無事、障害厚生年金2級に認められました。
障害年金制度は非常に複雑で、残念ながら一般の方が正確に把握することは困難です。
障害年金に理解がある病院では、ケースワーカーの方々が積極的にサポートしてくれるところもあります。しかし、ケースワーカーさんを対象に病院の中で勉強会をさせていただくことがあるのですが、障害年金について正しく理解されている方は殆どいらっしゃいません。これはケースワーカーさんが悪いわけではなく、制度が複雑すぎることに問題があります。
障害年金は制度の基本を正しく理解したうえで、経験を積まなければわからないことがたくさんありますので、運任せの申請になってしまわないよう専門家へご相談いただくことをお勧めします。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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