1級相当なのに2級にされてしまったが再審査請求で覆すことができたケース(事例№6739)
相談時の状況
相談支援事業所の相談員さんから、小学生の時の脳出血による後遺症で、高次脳機能障害と右片麻痺がある40代の女性についてご相談いただきました。
社労士による見解
この方は、小学校低学年の頃に脳出血を発症したそうです。
その後遺症で、知能が軽度知的障害に該当するほどに低下してしまいました。
また右片麻痺も残り、特に右上肢の麻痺が重いようでした。
高次脳機能障害の影響で少しでも複雑なことは理解ができず、会話でも話が長くなるとわからなくなるため、仕事はもちろん、様々な手続きもひとりでは行えない状態でしたので、精神障害として2級に該当する可能性が高いと判断しました。
また右片麻痺は、下肢と比べて上肢の麻痺が重く、右上肢はほとんど動かせない状態でしたので、肢体障害としても2級相当となり、精神障害と合わせて1級になるはずだと判断しました。
受任してから申請までに行ったこと
診断書は、精神障害用も肢体障害用も実態に即した正しい内容でお書きいただけましたので、病歴就労状況等申立書を作成して提出したのですが、数か月後に2級の年金証書が届きました。
なぜ1級ではなく2級とされたのかを調べるため、厚生労働省へ保有個人情報開示請求を行って認定調書を確認したところ、精神障害は予想通り2級に認められていましたが、肢体障害は2級ではなく3級と判断されたことがわかりました。
障害認定基準において、上肢の障害は肩・肘・手首の3大関節中、2つ以上の関節が用を廃している場合は2級に該当するとされています。
また片方の腕の指が全く使えない場合も、2級に該当するとされています。
この方は3大関節全ての関節の筋力が著減若しくは消失となっていましたし、握力もゼロでしたので、間違いなく肢体障害として2級の状態でした。
しかし、医師が右上肢について診断書に記載した、「廃用手から補助手の間のレベル」という一文に注目し、「補助手レベルであれば全く使えないわけではない」と拡大解釈し、これだけを理由に3級相当とされました。
明らかに不当な審査でしたので、すぐに審査請求(不服申立)をしましたが、判断に間違いは無いと棄却されてしまったため、続けて社会保険審査会に対して再審査請求を行いました。
結果
それでも年金機構は自分たちの審査に間違いは無いと主張しましたが、社会保険審査会では年金機構の判断が間違っていると認めてもらうことができ、精神障害2級と肢体障害2級で、合わせて障害基礎年金1級に処分変更されました。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)

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