30年間家から出られず受診もできていなかったケース

相談時の状況

障害者就労生活支援センターから協力をご依頼いただきました。

ご本人は他人と顔を合わせることもできず、10代の頃から30年間一歩も外に出たことが無い方でした。
ご家族はお母様とお兄様がいらっしゃったのですが、お母様は精神疾患を患っておられるうえにご高齢で、お兄様は知的障害がある方でしたので、意思の疎通や状況を把握することも困難でした。

 

社労士による見解

ご本人は高校生の頃から被害妄想・幻聴・幻覚などの症状が出現するようになり、一歩も外に出られなくなりました。

約20年前からお母様が、自身も通院する精神科の医師へ相談し、薬だけを処方してもらっていたようです。

就労生活支援センターの方から精神科を受診するようご家族へ熱心に勧められたのですが、本人は会話どころか自室に閉じ籠ったまま顔も見せないため、どうすることもできませんでした。

何とか往診をして貰える精神科クリニックをセンターの方が探し出し、医師に何度も家へ行ってもらったのですが、本人は部屋に閉じこもったままで一度も出てこず、会話もできていませんでした。

一日中故障した自宅電話の子機で誰かと大声で会話しており、「盗撮されている」と主張して自室の押し入れでトイレも済ませているような状態でしたので、明らかに統合失調症として障害等級1級に該当する状態でした。

しかし30年間一歩も外に出ていないため、受診と呼べる行為が過去にあったのかもわからず、母と兄も十分に意思疎通ができないため、申請できる状態かどうか判断が付きませんでした。

 

受任してから申請までに行ったこと

まず年金事務所へ行き年金記録を確認してみたところ、お母様が保険料を納めておられたようで、納付要件は問題ありませんでした。

次に20年くらい前から薬だけ処方してもらっていた精神科クリニックへ行き、医師にカルテを確認してもらいました。

するとやはり、母親の希望で薬だけを長年処方しておられましたが、本人の受診はありませんでした。

障害年金制度は、初診日の時点で加入していた年金制度により支給される障害年金の種類が決定し、初診日の前日までの年金記録で保険料納付要件を判断します。

初診日とは、「障害の原因となった傷病について、初めて『医師の診療』を受けた日」とされていますので、いくら薬を処方してもらっていても、本人の受診がなければ『医師の診療』とはみなされません。
お母さんの訴えで薬を処方してもらっていても、受診したことにはならないのです。

しかし詳しくお話を伺ってみると、数年前に保健所からの要請で、一度だけ往診に行かれたことがあるとわかりました。
本人は部屋から出てこず、扉越しに言葉を交わされただけでしたが、十分診療と呼べる状況でしたので、その日を初診日として受診状況等証明書(初診日証明)をお書きいただきました。


現在往診してもらっている医師に診断書を作成してもらう際は、現在までの詳しい状況等をご存じありませんでしたので、ご家族へ細かくヒアリングし、今までの経緯について詳細な資料をまとめました。

担当のソーシャルワーカーさんへその資料をお渡しし、初診日についても詳しく説明しました。

病歴就労状況等申立書は、ヒアリングに基づいた詳細な内容を元に作成しました。

 

結果

無事、障害基礎年金1級に決まりました。

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