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統合失調症で障害基礎年金1級に認められ5年遡及も行われたケース

相談時の状況

ご本人から電話でご相談いただき、後日事務所へお越しいただいて面談を行いました。
面談の際はご本人だけでなく、客観的な状況を把握するためご主人にもご同席いただきました。

 

社労士による見解

この方は10代の頃から被害妄想があり、パニック発作を起こすことも度々あったそうです。
気分の浮き沈みも激しく、高校も登校できなくなって2年生に上がる前に退学しておられたのですが、薬を飲まされると頭がおかしくなってしまうように感じて、受診は一切されていませんでした。

18歳の時に結婚されてからは、パートやアルバイトをされていた時期もありましたが、気分の浮き沈みが激しく、うつ状態になると何もできなくなるため、継続して就労することはできていませんでした。

約8年前からは被害妄想や不安感が増大し、幻聴も現れるようになったそうです。
このままでは死んでしまうと思い、父親も通院していた精神科を受診したところ、統合失調症と診断されました。

その後は投薬治療を継続するも病状は一進一退を繰り返し、現在は幻聴・幻覚などの陽性症状は少し治まっていましたが就労は困難な状態でした。

 

受任してから申請までに行ったこと

この方は初診から現在まで一貫して同じクリニックへ通院されていましたが、日常生活の様子や具体的な症状など医師にお話できていないことが多数あったようですので、発症から現在までの状況について詳しくヒアリングを行い、それを参考資料としてまとめたものを医師に言渡しいただところ、スムーズに診断書をお書きいただけました。

病歴就労状況等申立書を作成する際も、ヒアリング内容を元に日常生活の状況などを詳しくまとめました。

 

結果

診断書の内容から2級になると予想していましたが、何と1級に決まり、5年分の遡及も行われました。

精神疾患の認定基準は、内科系疾患や肢体障害と比べて非常に曖昧です。
現在は等級判断のガイドラインも作られていますが、あくまでも参考程度の扱いですので、それに見合った等級に決まらないことも良くあります。

今回のように予想よりも高い等級で決まることは珍しいのですが、逆に低い等級で決まってしまうことは良くあります。
認定基準が曖昧なため、病歴就労状況等申立書などで日常生活の困難さを的確に、且つわかりやすく表現することも重要ですので、まずは専門家へご相談いただくことをお勧めします。

社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)

舩田 光朗
舩田 光朗社会保険労務士
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