統合失調感情障害で障害基礎年金2級に障害認定日まで遡って認められたケース(事例№7054)
相談時の状況
統合失調感情障害を患っておられる、30代後半の男性からご相談いただきました。
ご自身で年金事務所へ行き説明を聞いたそうですが、よくわからなかったため主治医に相談されたところ、当センターへ行ってみるよう勧められたそうです。
面談には、お母様と一緒に来られました。
社労士による見解
この方は中学3年生の時に、高校へ進学しないと突然言い出したそうです。
理由を聞いても答えなかったため担任教師に相談したところ、何とか本人を説得してもらえ、高校に入学しました。
しかし高校へ通いだしてから、ひとりでいるのに誰かと会話するような独り言をしている場面を母親が度々見かけるようになったそうです。
高校でも通学できなくなり、自室へ引きこもるようになりましたが、母親が精神科へ連れて行こうとしても、自分はおかしくないと主張して従おうとしませんでした。
その後は、気が向いた時にふらっと外出することはあるものの、基本は家に閉じこもっており、仕事にも就けていません。
独り言を母親が何度か指摘してきたことで、幻聴や妄想の症状がでていることを自覚するようになりましたが、受診には至りませんでした。
しかし30歳を超えたころに母親から、今後どうすればよいのか考えるためにも受診が必要だと説得され、ようやく精神科へ通院するようになりました。
統合失調感情障害と診断され、投薬治療の効果から徐々に症状は安定していきましたが、それでも仕事ができるほどの状態ではありませんでした。
面談時には、同席していた母親を気にするそぶりを見せ、自身の症状や状況について正直に話すことを嫌がっておられるように見えたため、数日後に電話で改めてお母様へ話を伺ってみました。
すると、精神疾患に対する抵抗が未だに強いためか、受診時もあまり日常生活の状況や症状について正直に答えてくれないと、主治医から言われていると教えていただけました。
受任してから申請までに行ったこと
まずはご本人に対して、過去から現在までの経緯や症状についてヒアリングしましたが、やはりどこか取り繕っているような印象がありました。
そのため、母親に対しても単独でヒアリングをしたところ、本人の口からは語られなかった実態について、客観的に教えてもらうことができました。
そのヒアリングに基づいて、経緯や日常生活の状況などについて詳しく参考資料にまとめ、受診時に医師へお渡しいただいたところ、実態に基づいた診断書をお書きいただけました。
病歴就労状況等申立書を作成する際も、ヒアリング内容に基づいて作成しました。
結果
無事に、障害認定日まで遡って障害基礎年金2級に決まりました。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)

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