好酸球性胃腸症で不支給とされたが審査請求で覆し障害厚生年金3級に認められたケース(事例№6777)
相談時の状況
病院の相談員さんから、指定難病である好酸球性胃腸症の診断を受けた40代の女性についてご相談いただきました。
社労士による見解
この病気は食べ物などが抗原となってアレルギー反応を引き起こします。
慢性的な消化器症状が主で、腹痛・下痢・吐き気・血便などが続く難病です。
この方も消化器症状が常にあり、強い全身倦怠感もあるため、就労はもちろん、家事も満足にできない状態でした。
障害年金は、指定難病というだけで受給できるわけではありません。
障害年金の審査は原則として、「どこに」「どのような症状が」「どの程度出ているか」ということに注目し、細かく定められた「障害認定基準のどこに該当するか」、という見方をされます。
心臓疾患や腎臓疾患などであれば客観的に障害程度を把握できる数値基準が存在しますが、このかたの症状はどこにも当てはまらない「その他」に分類されるもので、数値基準がありません。
そのため診断書の書き方や、審査する側の捉え方によって審査結果が一定せず、不公平な審査となる場合が非常に多いです。
このかたは日常生活に大きな支障が出ていましたので等級に該当するほどの状態であることは間違いありませんでしたが、ここ数年は意図的に落とそうとする審査が横行していましたので、診断書や病歴就労状況等申立書の内容に問題が無くても難航する可能性があると感じました。
受任してから申請までに行ったこと
医師へ診断書を依頼していただく際は、ご本人から伺った日常生活の状況や障害認定基準などをご理解いただくための参考資料を作成してご本人から医師へお渡しいただいたところ、間違いなく等級に認められる内容でお書きいただけました。
病歴就労状況等申立書もこちらで作成し、診断書と合わせて年金機構へ提出しましたが、残念ながら数か月後に不支給の通知が届きました。
不支給通知に記載された、審査の根拠を拝見したところ、なぜか血液検査成績が取り上げられていました。
赤血球数やヘモグロビン濃度などが正常値であることを指摘し、障害は軽度であると結論付けていまいた。
「その他の障害」の障害認定基準に、そのような基準は定められていません。
難病を審査する際の障害認定基準には、次のことが書かれています。
====================================================================
いわゆる難病については、その発病の時期が不定、不詳であり、かつ、発病は緩徐であり、ほとんどの疾患は、臨床症状が複雑多岐にわたっているため、その認定に当たっては、客観的所見に基づいた日常生活能力等の程度を十分考慮して総合的に認定するものとする。
====================================================================
このような定めがあるにもかかわらず、好酸球性胃腸症と関係のない検査数値を根拠として障害を軽度と判断するなど、理不尽極まりない審査でしたので、前述の難病を審査する際の認定基準を主張し、審査請求しました。
結果
認定医の判断は誤りであったことが認められ、障害厚生年金3級に変更されました。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)

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