2級で受けていた年金を止められたが支給停止解除手続きで1級に認められたケース(事例№5238)
相談時の状況
労災事故による脳挫傷で障害を負われた、30代男性のご家族からご相談いただきました。
数年前にご家族が手続きされ、障害基礎年金2級を受けておられましたが、昨年の更新で支給停止とされたそうです。
社労士による見解
この方は数年前に工事現場のアルバイトで事故に会い、脳挫傷となったそうです。
右片麻痺となり、肢体障害としてご家族が障害基礎年金の請求を行ったところ、2級に認められていました。
支給停止とされた更新時の肢体障害用診断書を拝見すると、確かに2級とも3級とも判断できる、微妙な内容でした。
審査請求(不服申立)を行っても、おそらく覆すことは難しいはずでした。
しかしご本人の様子を確認すると、右片麻痺よりも高次脳機能障害の方が深刻な状態に感じました。
会話をしても、こちらの話はあまり理解できておられないようです。
またご家族に伺うと、意識を消失して卒倒するほどのてんかん発作が、月に1回以上起きているとのことでした。
右片麻痺の「肢体の障害」よりも、高次脳機能障害やてんかんの「精神の障害」の方が明らかに重度でしたので、初めから「精神の障害」についても主張して申請すべき障害状態だと判断しました。
受任してから申請までに行ったこと
高次脳機能障害とてんかんで1級に相当すると判断し、精神の障害だけで進めることにしました。
診断書をお書きいただく際は、肢体障害ではなく精神障害としてお書きいただきたい理由や、ご家族からヒアリングした日常生活の詳細な状況などを資料にまとめ、医師へお渡しいただきました。
結果
精神の障害として障害基礎年金1級に認められ、支給停止が無事解除されました。
障害年金を請求する際に、どの診断書の様式を使用するかは慎重に判断する必要があります。
診断書の様式は障害の個所や種類によって8種類に分かれており、適した様式を使わなければ、障害状態を正しく審査してもらうことができません。
窓口で勧められた様式が適しているとは限りませんので、経験豊富な専門家へご相談いただくことをお勧めします。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
-
当サイトをご覧いただきありがとうございます。当事務所は京都を中心に、府内全域を対象として、障害年金の申請サポートを行っております。(※相談は全国対応です。)
「相談して良かった」「やるべきことが明確になった」と、相談後には気持ちが前向きに、軽くなれる様、耳を傾け、アドバイスすることを心掛けております。まずはお気軽に相談ください。
- 11月 22, 2024内臓系の障害IgA腎症からの腎不全で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6820)
- 11月 15, 2024精神の障害統合失調症で障害基礎年金2級に5年遡って認められたケース(事例№6866)
- 11月 8, 2024肢体の障害指が全く動かせないのに不支給とされたが審査請求で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6628)
- 11月 1, 2024精神の障害軽度知的障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6860)
関連記事
クイックタグから関連記事を探す
「てんかん」の記事一覧
- 20万円以上の給与をもらいながらてんかんで障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6167)
- てんかん発作間欠時を想定して診断書を書かれたが認められたケース(事例№5107)
- フルタイム勤務しながらてんかんで障害厚生年金2級に認められたケース(事例№1564)
- 【てんかんで障害基礎年金2級】患者票による初診日の証明で受給できたケース
- てんかんで障害状態に変化はなかったが障害基礎年金2級から1級へ等級変更できたケース
- てんかんの初診日を日記やスケジュール帳の記録で証明して障害基礎年金2級に認められたケース
- 年収380万円でもてんかんで障害基礎年金2級に認められたケース
- 別の障害で不支給となっていたがてんかんで再度申請し障害基礎年金2級に認められたケース
- 不支給から申請しなおして障害認定日時点で障害等級1級に認められたケース
- 脳梗塞による肢体障害とてんかんで障害基礎年金1級に認められたケース
- 脳腫瘍が原因で発症したてんかんにより障害厚生年金2級に認められたケース
- てんかんで障害基礎年金1級に認められたケース
- てんかんで障害厚生年金2級に認められ5年分遡及も行われたケース
- 脳梗塞後のてんかんで障害厚生年金3級に認められた事例
- てんかんで障害厚生年金2級を受給できたケース
- 過去に不支給。再チャレンジしててんかんで障害基礎年金2級に認められたケース
- てんかんで障害基礎年金2級を受給できたケース
- 20歳前からのてんかんで障害基礎年金2級を受給できたケース
「高次脳機能障害」の記事一覧
- 脳梗塞による高次脳機能障害で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6482)
- 交通事故による高次脳機能障害で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6389)
- 交通事故による高次脳機能障害で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6350)
- 高次脳機能障害で主治医に診断書作成を断られていたケース(事例№5084)
- 脳挫傷による高次脳機能障害で障害厚生年金3級に認められたケース(事例№5490)
- 高次脳機能障害だが医師に日常の困難さが伝わっていなかったケース(事例№5165)
- 幼少期の脳腫瘍が原因で高次脳機能障害となったケース(事例№5120)
- 3つの障害のうち1つに絞って1級に認められたケース(事例№5008)
- 「社労士は必要はない」と主治医に言われ脳出血で障害年金を申請したが不支給だったケース(事例№2326)
- 摂食障害が原因の高次脳機能障害で障害基礎年金1級に認められたケース
- 不支給から申請しなおして障害認定日時点で障害等級1級に認められたケース
- 交通事故による高次脳機能障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 多発性脳梗塞による高次脳機能障害で障害基礎年金2級に認められたケース
- 脳内出血による片麻痺と失語症で障害基礎年金1級に認められたケース
- 脳梗塞による高次脳機能障害で障害厚生年金1級を受給できたケース
- 脳悪性リンパ腫で医学的に関係ない時期が初診日として認められたケース
- 低酸素脳症の後遺症で障害基礎年金1級に認められたケース
- もやもや病を原因とした高次脳機能障害で障害基礎年金2級に認められたケース