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「社労士は必要はない」と主治医に言われ脳出血で障害年金を申請したが不支給だったケース(事例№2326)

相談時の状況

病院の相談員から紹介されたとのことで、脳出血の後遺症に苦しむ40代男性の奥様からご相談いただきました。

奥様に事務所までお越しいただいてお話を伺ったところ、約10か月前に突然倒れて救急搬送され、今の病院にはその2か月後に転院となり、リハビリ目的に通院されているとのことでした。

原則として障害年金は、初診日から1年6か月経過した時点が障害認定日とされているため、1年6か月以上経過しなければ申請することができません。
しかしいくつか例外があり、脳出血や脳梗塞などで片麻痺が残った場合、その部分については初診日から半年以上経過し、尚且つ医師が症状固定と認めたら、その時点を障害認定日と主張して申請できるのです。
(高次脳機能障害は、原則通り1年6か月経過した時点が障害認定日です)

お体の状態について詳しく聞くと、左上肢は少し感覚麻痺が残っている程度でしたが、左下肢は殆ど動かせず、装具と杖が無ければ歩行できない状態でしたので、肢体障害だけで2級に相当すると判断しました。

当センターへ正式に依頼するかどうか検討してからご連絡いただくこととなり、そのまま帰られたのですが、後日連絡は入ってきませんでした。

それからさらに10か月近く経過した頃に、その方が契約しておられる生命保険会社の担当営業マンから、なんとか助けてほしいとの相談が入りました。

詳しくお話を聞いてみると、奥様が主治医に社労士へ相談していることをお話しされたところ、

「社労士なんかに依頼しても意味がない」
「ちゃんと障害年金が受給できるようにしてあげる」

と言われたため、その言葉を信じて当センターの依頼は見送られたそうです。

しかしその数か月後に年金機構から届いた審査結果を見ると、2級どころか3級にも該当せず、一時金である障害手当金だけで終わりでした。

そのことを医師に報告しても、「なんでやろうね」と言われただけだったそうです。
もう一度診断書を書いてほしいとお願いしても、「無理」の一点張りで耳を傾けてもらえず困り果てておられました。

 

社労士による見解

再度面談にお越しいただき、障害手当金とされてしまった肢体障害用診断書のコピーを見せていただいたところ、日常生活に殆ど支障が出ていないと判断されてしまうような書き方になっていました。

また奥様が作成された病歴就労状況等申立書のコピーも確認したところ、肢体障害について主張すべきなのに左片麻痺のことはあまり触れられておらず、精神障害として申請するときに主張すべき高次脳機能障害に関することばかり強調して書いておられました。

明らかに実態とかけ離れた内容でしたので、肢体障害として再チャレンジするためには正しく障害状態を主張できる診断書を改めて作成していただく必要があったのですが、その医師は一度ケチがついたことで機嫌を損ねてしまい、「何度書いても無駄」と言われ、取り合ってくれないようでした。

しかしこの方は片麻痺だけでなく、重い高次脳機能障害もあり、症状や普段の様子を具体的に伺ってみると、2級に相当するほどの状態であることがわかりましたので、まずは高次脳機能障害について申請することを提案しました。

 

受任してから申請までに行ったこと

高次脳機能障害については別の病院へ通院しておられ、そこの主治医には過去に何人もの診断書を書いてもらったことがあり、障害状態を正しくお書きいただける医師だと知っておりましたので、直ぐに精神障害用診断書の作成依頼を奥様からしていただきました。

病歴就労状況等申立書は、奥様から詳細にヒアリングした情報を元にこちらで作成し、申請しました。

 

結果

無事、障害厚生年金2級に決まりました。

社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)

舩田 光朗
舩田 光朗社会保険労務士
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