働きながらでも高安動脈炎で障害厚生年金3級に認められたケース
相談時の状況
京都府の難病相談支援センターからご紹介頂きました。
社労士による見解
高安動脈炎(大動脈炎症候群)とは、大動脈やそこからわかれている大きな血管に炎症がおき、血管が狭窄したり閉鎖したりして、脳や内臓に影響が出たり、手足が疲れやすくなったりする難病です。
この方は病院で事務職に就いておられ、毎回健康診断で血圧を図ろうとするとエラー表示になってしまうため、不思議がられていました。
ところが約1年半前から倦怠感や偏頭痛が出るようになり、職場の医師に診てもらったところ、高安動脈炎と診断されたそうです。
最近では倦怠感や偏頭痛の症状が悪化し、フルタイム勤務が困難となったためパートタイム勤務にかわっておられました。
受任してから申請までに行ったこと
障害年金の障害等級は、障害認定基準に基づいて判定されます。
病気や障害の箇所によって様々な基準が設けられているのですが、難病の症状はこれにはっきりと当てはまらないことが多く、深刻な障害状態にある人でも正しく判定してもらえないことが良くあります。
障害年金の審査は、診断書や病歴就労状況等申立書などの書類だけを見て行われますので、その内容が正しいものになっていなければ、障害状態を正しく判断してもらえません。
診断書をお書きいただく際は、難病で診断書をお書き頂く場合の注意点や認定基準などについて詳しく参考資料にまとめ、ご本人から医師にお渡しいただきました、
病歴就労状況等申立書を作成する際は、症状や日常生活の情況について詳しくまとめました。
結果
無事、障害厚生年金3級に決まりました。
障害年金は非常に複雑な制度ですが、難病は特に注意が必要です。
障害等級の審査は、年金機構が委託している認定医が医学的な見地から行ないますが、患者数の少ない難病となると、専門医が審査するとは限りません。
専門でない認定医が審査するわけですから、その病気の症状やそれによる影響なども診断書や病歴就労状況等申立書で詳しく説明しておく必要があります。
また今回のように、症状がどの認定基準にも当てはまらない場合は、「その他の障害」として扱われます。
検査数値などの客観的な基準が存在しないため、診断書の書き方が悪ければ、いとも簡単に不支給とされてしまいます。
診断書をお書きいただく医師にそのことをご理解いただく必要がありますので、まずは依頼する前に専門家へご相談ください。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
-
当サイトをご覧いただきありがとうございます。当事務所は京都を中心に、府内全域を対象として、障害年金の申請サポートを行っております。(※相談は全国対応です。)
「相談して良かった」「やるべきことが明確になった」と、相談後には気持ちが前向きに、軽くなれる様、耳を傾け、アドバイスすることを心掛けております。まずはお気軽に相談ください。
- 6月 4, 2020精神の障害不支給からの再チャレンジでカルテの提出を求められたケース(事例№5083)
- 6月 2, 2020肢体の障害進行性核上性麻痺で障害基礎年金1級に認められたケース(事例№5216)
- 5月 26, 2020内臓系の障害初診が20年前の慢性呼吸不全で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№345)
- 5月 18, 2020精神の障害幼少期の脳腫瘍が原因で高次脳機能障害となったケース(事例№5120)
関連記事
クイックタグから関連記事を探す
「その他」の記事一覧
- 慢性疲労症候群で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6715)
- クローン病で障害厚生年金3級に認められたケース(事例№6529)
- 全身性無汗症で障害厚生年金3級に認められたケース(事例№6541)
- 新型コロナウィルスの後遺症で障害厚生年金3級に認められたケース(事例№6270)
- 日光過敏症がきついSLEで障害厚生年金3級に認められたケース(事例№6052)
- シェーグレン症候群による平衡機能障害として障害厚生年金2級に認められたケース(事例№5960)
- 【子宮内膜症で障害厚生年金3級】フルタイムで働きながらでも受給できたケース
- 不完全型ベーチェット病で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5764)
- 慢性疲労症候群で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5495)
- 健康診断結果とスケジュール帳の記録で初診日が認められたケース(事例№5395)
- 20歳前からの慢性疲労症候群で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№178)
- 線維筋痛症では難しかったためうつ病で申請して障害厚生年金3級になったケース(事例№1004)
- 類天疱瘡で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№2064)
- 二分脊椎症で障害基礎年金1級に認められたケース(事例№464)
- 眼症状の無い不全型ベーチェット病で障害厚生年金2級に認められたケース
- クローン病で障害厚生年金2級に認められ遡及も行われたケース
- 表皮水泡症で障害基礎年金1級に認められ5年遡及も行われた事例
- ランゲルハンス細胞組織球症で障害厚生年金2級に認められたケース
- 線維筋痛症が原因で発症したうつ病で申請したケース