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統合失調症で障害基礎年金2級に決まり遡りも認められたケース(事例№6575)

相談時の状況

統合失調症を患っておられる20代の女性について、病院の相談員さんからご紹介いただきました。

相談員さんがサポートしておられたのですが、女性の記憶が曖昧で、また初診日の時点では年金にも加入していなかったと言い出されたため、どうすればよいかとこちらへご相談いただきました。

 

社労士による見解

ご本人から詳しくお話を伺ってみたところ、中学2年生ごろから体調不良を訴えてよく休むようになりましたが、いじめなどの特定の理由はなかったそうです。

高校も1年生の頃は何とか通っていましたが、2年生になるといけなくなりました。
母親が心配して精神科に連れて行こうとしましたが、「自分はおかしくない」「病院に行けば薬漬けにされてしまう」と考えて拒否しました。

なんとか高校を卒業してからは何度かアルバイトを始めてみましたが、仕事についていけなかったり、職場で人間関係を築けなかったりして、数か月で辞めてしまうことを繰り返しました。

約5年前から、自室や洗面所などで一人でしゃべっているところを度々母親が目撃するようになり、突然走って家を飛び出すこともあったため、嫌がる本人を母親が引っ張って精神科を受診させたところ、統合失調症と診断されました。

妄想や幻聴などの陽性症状が激しく、本人は病識もありませんでしたが、投薬治療を受けることで次第に落ち着いていきましたが、今度は抑うつなどの陰性症状がひどくなりました。

家ではほとんど寝たきりのような生活で、通院は毎回母親が連れていき診察にも同席していました。
何度か障害者雇用で仕事を始めてみましたが、すぐに気力が続かなくなり、数か月で辞めてしまいました。

発達障害を疑って検査を受けてみましたが、ある程度の傾向は認められるものの、診断が付くほどではありませんでした。

 

受任してから申請までに行ったこと

まず、ご本人は「初診日時点では年金に加入していなかった」と認識されていましたが、国民年金は強制加入なので、「加入していなかった」ということはあり得ません。
加入していないという認識でいたのであれば、実際は「保険料を滞納していた」という状態のはずで、それだと保険料納付要件を満たさないことになるのですが、年金事務所で記録を確認してみたところ、お母様が手続きされていたようで、保険料は全額免除になっていました。

診断書を依頼する際は、今までの経緯や日常生活の状況などを参考資料として詳細にまとめ、相談員さんを通じて医師にお渡しいただいたところ、実態に即した内容でお書きいただけました。

 

結果

無事障害基礎年金2級に、障害認定日まで遡って決まりました。

 

社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)

舩田 光朗
舩田 光朗社会保険労務士
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