統合失調症で障害基礎年金1級に認められたケース(事例№7263)
相談時の状況
統合失調症と診断されている30代の奥様について、ご主人から相談がありました。
初めはご主人から、過去に精神科への通院歴の無い奥様が、突然幻聴・幻覚などの症状が出て精神病院へ入院されたので、障害年金を受給できないか、というお電話が7年前にありました。
障害年金は初診日から1年6カ月経過しなければ請求できないと説明し、時期がきたら改めてお電話をいただくようお願いして一旦相談を終了しました。
しかしその後連絡はなく、7年後に再度電話が入りました。
事情を伺うと、主治医に障害年金の相談をされたところ、障害は軽度であるため対象にはならないと言われてしまい、諦めていたそうです。
症状は悪化する一方で、常に誰かが監視していなければ何をするかわからないほどの状態であるにも関わらず、主治医は「障害は軽度」との見解を変えないため、おかしいと感じて再度ご相談いただきました。
社労士による見解
ご主人に詳しくお話を伺うと、奥様は子供の頃から社会にでるまで常にいじめを受けていたそうです。
社会にでてもまともに仕事が覚えられず、周りにも馴染めませんでした。
7年前の深夜に突然家を飛び出したため、夫が慌てて捕まえると、うわごとのように「謝らないといけない。謝らないといけない」とつぶやいていたそうです。
さらに暴れはじめ、他人に殴り掛かるなどしたため、警察を呼ばれて精神病院へ措置入院させられました。
すぐに統合失調症と診断されましたが、本人に病識はなく、退院を強く希望したため、1カ月で強引に退院してしまいました。
その後は家族に連れられて何とか通院していましたが、陽性症状は治まらず、「人に殺される」といって怯えたり、「人を殺した」と言い出して警察に繰り返し電話を掛けたこともありました。
衝動的に自殺しようとすることも多々ありましたが、本人が入院を拒否するため、常に見張っておく必要があり、夫は仕事を辞めざるを得ませんでした。
このような状態であるにも関わらず、主治医に相談しても「症状は軽度である」「障害年金を貰えるほどではない」というだけで、取り合ってもらえなかったそうです。
精神の障害は目に見えるものではありませんので、病名すら医師によって変わることも珍しくありません。
毎回の診察時間も精神科は5分診療が基本ですので、日常生活の状況などが医師に正しく伝わっていないこともよくあります。
しかし、審査上で最も重要な診断書は医師が書くものであり、当然医師が把握していることしか記載されません。
病歴就労状況等申立書で実際の状況をいくら書き連ねても、診断書の内容以上に障害状態を重く見てもらえることはありません。
投薬量もかなり多く、尿失禁・便失禁もあり、常に口からよだれを垂らしているような状態だったので、ご主人は医師にかなりの不信感をいただいておられました。
障害年金のためだけではなく、治療の面でも心配なので、通院先を変えることを検討されていました。
受任してから申請までに行ったこと
面談後しばらくすると、再び入院され、主治医が変更になったとご主人から連絡が入りました。
その医師に障害年金の相談をされたところ、かなりひどい障害状態だと認識していただけ、すぐにでも進めていこうとなったそうです。
ご主人からヒアリングした内容を参考資料としてまとめ、ご主人から新しい医師へお渡しいただいたところ、状況を正しく理解していただくことができ、すぐに診断書をお書きいただけました。
病歴就労状況等申立書も、ヒアリングに基づいて作成しました。
結果
無事、障害基礎年金1級に決まりました。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)

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