統合失調症で一度不支給になっていたが再チャレンジで障害基礎年金2級に認められたケース(事例№6782)
相談時の状況
統合失調症を患っておられる40代の女性について、障害者相談支援センターの相談員さんからご相談いただきました。
以前ご自身で障害年金手続きをしたところ、等級に該当せず不支給とされたそうです。
社労士による見解
ご本人にお話を伺うと、この方は短大に入学してすぐに性犯罪被害に遭い、「お前は汚い」などの声が聞こえるようになったそうですが、卒業するころには治まっていました。
卒業後は就職され長年問題なく過ごしてこられたのですが、約10年前に、突然退職した上司の仕事をすべて押し付けられ、過重労働に耐えきれず退職したそうです。
転職活動をしましたがなかなかうまくいかず、再び幻聴の症状がでるようになりましたが自覚はなく、実際に聞こえていると思っていたそうです。
不眠の症状を訴えて精神科を受診し、カウンセリングを受けるようになって初めて幻聴症状を指摘されました。
投薬治療で幻聴は治まりましたが意欲低下などの陰性症状が始まり、転職してもすぐに辞めてしまうことを繰り返すようになりました。
2年前くらいに同僚が亡くなったショックで幻聴症状が再燃し、周りから非難されていると感じるようになったため、ほとんど外出できなくなったそうです。
経済的に困窮し、障害年金を自分で申請されましたが、残念ながら不支給となりました。
ご自身で申請された際の書類を拝見したところ、現在でも幻聴や被害妄想などの陽性症状が続いており、日常生活に支障が出ている現状とはかけ離れた内容になっていました。
受任してから申請までに行ったこと
統合失調症で陽性症状が強く出ていると本人は自覚がない場合が多く、幻聴や妄想を現実のことと考えて医師に伝えられていないことがあります。
すると医師は実態を把握できず、軽い内容の診断書を書かれてしまうケースがしばしば見受けられます。
この方は不支給決定後に転医され、別のクリニックへ通院されていましたので、新たな主治医に今までの経緯や日常生活の状況などについて把握してもらえるよう、本人への詳細なヒアリングに基づいた参考資料を作成しました。
その資料を受診時に医師へお渡しいただいたところ、実態に即した正しい内容で診断書をお書きいただけました。
病歴就労状況等申立書も、ヒアリング内容を基にして作成しました。
結果
無事、障害基礎年金2級に決まりました。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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