生命保険の診断書で初診日を証明し統合失調症で障害基礎年金2級に認められたケース(事例№5348)
相談時の状況
精神病院の相談員さんから、統合失調症で入院されていた50代女性についてご相談いただきました。
相談員さんがサポートしながら進めておられたのですが、約20年前の初診日を証明するためのカルテが既に破棄されていることが発覚し、どうすればよいかわからなくなったそうです。
社労士による見解
この方は高校生の時に不良グループから乱暴されて不登校になり、その後退学されていました。
何とか普通に働けるようになり、20代前半で結婚されました。
当初は幸せに暮らしておられましたが、子供が生まれると、「自分が高校時代に乱暴されたことや退学したことなどを、子供に知られたらどうしよう?」という不安が頭から離れないようになりました。
そのうち、「自分の過去が近所で噂になっている」「誰かから監視されている」というような被害妄想が出現するようになり、探偵会社へ多額の報酬が必要な調査を依頼しようとしているところをご主人に止められ、精神科へ連れていかれました。
すぐに入院させられ、退院後は通院治療を受けておられましたが症状は改善せず、今でも「家にいると危ない」と主張して連日外泊したり、「命を狙われているので助けてほしい」と警察へ駆け込んだりされているとのことでした。
病識はあるものの陽性症状が続いており、日常生活に大きな支障がでていましたので、2級以上に該当すると判断しました。
しかし当時のカルテは既に破棄されており、初診日を証明できるものがなにもないとのことでしたので、慎重に対応する必要があると感じました。
受任してから申請までに行ったこと
約20年前にご主人が無理やり精神科へ連れていかれたところ、そのまま入院させられたとのことでしたので、その時生命保険会社へ入院保障の請求をしたのではないかと質問すると、したかもしれないとのことでした。
そこで、当時加入しておられた生命保険会社の支店へ連絡し、事情を説明して調べてもらうと、当時提出された診断書が保管されていました。
コピーを取り寄せたところ、初診日や当時の詳しい状況が明記されていましたので、これで確実に初診日を証明できると判断しました。
結果
無事初診日が認められ、障害基礎年金2級に決まりました。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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