もやもや病を原因とした高次脳機能障害で障害基礎年金2級に認められたケース
ご相談にいらした状況
京都府難病相談支援センターの職員の方よりご相談いただき、後日無料相談会へご参加いただきました。
社労士舩田による見解
当日は支援センターの職員の方に連れられて、ご本人とお母様がお越しになられました。
詳しくお話を伺うと、小学1年生の時にもやもや病であることが分かり、手術を受けられたのですが、それが原因で指先が痺れるようになっていたため、ご本人は肢体障害として障害年金の申請を考えておられました。
しかし肢体障害としての程度は非常に軽く、障害等級に該当する程ではありませんでした。
職員の方にお話を伺うと、むしろ大きな問題は高次脳機能障害にあると考えておられました。
ご本人やお母様はあまり認識しておられなかったのですが、職員の方は人格変化や軽度の知的障害が残っていると感じられため、精神障害として医師に診断書の作成を依頼しておられました。
ところが診断書の内容を見てみると、初診日や障害認定日などが明らかに間違っており、そのほかの項目にも間違いがいくつもありました。
受任から申請までに行ったこと
そのままの内容で申請しても受理すらしてもらえず、初診日などを修正しても障害等級に該当することは不可能と考えて、職員の方と一緒に医師のところへ相談に伺いました。
そして医師に診断書の書き方を説明させていただき、正しい内容に書き直しをしていただきました。
結果
無事、障害基礎年金2級に認められました。
障害年金制度は非常に複雑で、初診日や障害認定日について正しく理解しておられる医師はあまりいらっしゃらないと思います。
また障害程度についても医師の主観で書かれますので、同じ障害の程度であっても、書かれる医師によってばらつきがあります。
しかし障害年金の審査は書面のみで行われますので、診断書や病歴就労状況等申立書などのちょっとした書き方ひとつで結果は大きく異なってきます。
運任せの申請にしてしまわないためにも、専門家へご相談されることをお勧めします。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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