IgA腎症からの腎不全で障害厚生年金2級に認められたケース(事例№6820)
相談時の状況
腎不全により血液透析を、1か月前から受けておられる50代の男性からご相談いただきました。
初診の医療機関へ確認されたところ、既にカルテは破棄されているとわかり、どうしたらよいのかと困っておられました。
社労士による見解
この方は20代で受けた会社の健康診断で異常数値を指摘され、近くの総合病院を受診したところIgA腎症と診断されました。
その後は通院治療を受けていたのですが、徐々に悪化していき、約5年後には大学病院を紹介され転医しました。
とうとう人工透析が必要なほど腎不全が悪化したため、1か月前から近くの透析クリニックにて血液透析を開始しておられました。
上記の流れであれば、健康診断結果を受けて最初に受診された、近くの総合病院が初診となります。
しかし受診したのは30年以上も前のことでしたので、ご本人が病院へ確認されたところ、すでにカルテは破棄されていたとのことでした。
障害年金は、原則として初診日を当時のカルテに基づいて証明することとされており、カルテが無い場合は、それに代わる客観的な証拠を提出する必要があります。
初診日を証明できない場合は、重度の障害状態にあっても障害年金を受給することができません。
受任してから申請までに行ったこと
この方は、最初の総合病院から次の大学病院へ転医される際に、紹介状を渡しておられました。
大学病院へ受診状況等証明書(初診日証明)を作成してもらい、当時の紹介状コピーもつけてもらったところ、紹介状に総合病院の初診年月日や初診に至る経緯なども明記されていましたので、間違いなく初診日が認められる内容だと判断しました。
診断書をお書きいただく際は、正しい内容で診断書をお書きいただくための参考資料を作成し、初診日を把握していただくために紹介状コピーも参考資料に添付して受診時に医師へお渡しいただいたところ、問題のない内容でお書きいただけました。
結果
無事、障害厚生年金2級に決まりました。
社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)
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