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フルタイム勤務しながらてんかんで障害厚生年金2級に認められたケース(事例№1564)

相談時の状況

難治性てんかんを患っておられる、30代男性からご相談いただきました。

 

社労士による見解

この方は、10代の頃から人と会話をしていると、ほんの一瞬ですが、意識が途切れてしまうことがあったそうです。
しかしてんかんについての知識が無く、大したことは無いと考えて病院には行きませんでした。

20代で就職され、当初は問題ありませんでした。

ところが3年後に営業職へ異動になったところ、慣れない業務による疲労やストレスから、意識を消失して卒倒するほどの発作が頻発するようになりました。
さすがにおかしいと感じ、近くの総合病院を受診して脳波検査を受けたところ、てんかんと診断されました。

車の運転を禁止されたため営業職から事務職へ配置換えとなり、ストレスは軽減されたはずでしたが、それでも年に数回は意識消失の発作がありましたので、障害等級2級に該当すると判断しました。

しかし、事務職になったとはいえフルタイム勤務ができており、月給も20万円以上でしたので、障害状態を軽く審査されてしまう可能性がありました。

 

受任してから申請までに行ったこと

この方は数年前に2級の精神保健福祉手帳を取得され、職場に提示しておられました。

そのため、月―金のフルタイム勤務ができていても、一般雇用ではなく、障害者雇用であると主張することが可能でした。

年金機構で審査を担当する認定医や審査官によっても判断にバラつきがありますが、一般雇用と認識されてしまうと、時短勤務などがやっとの状況でも、「就労できている」と見なされて不当に低い障害等級で決定することがよくあります。

しかし「障害者雇用」であれば、特別の配慮がなければ成り立たない就労と認識してもらえ、等級判断に影響が出ない場合が大半です。

この場合気を付けなければならないのが、診断書と病歴就労状況等申立書に、『障害者雇用』である旨を明記してもらうことです。

厚生年金に加入して就労している場合、厚生年金被保険者になっていることは年金機構で把握されていますが、「一般就労」か「障害者雇用」かを年金記録上から区別することはできません。

申請する側が何の説明もしなければ、「就労できている」と見なされ、2級に該当しなくなる可能性が極めて高くなってしまいます。

そこでご本人から診断書の作成を医師に依頼していただく際は、就労状況欄に、障害者雇用である旨を明記していただくようお伝えいただきました。

また病歴就労状況等申立書をこちらで作成する際は、障害者雇用で就労している状況について詳しく記載しました。

 

結果

無事、障害厚生年金2級に決まりました。

障害者雇用でなくても、休職中であれば、就労不能であると主張することが可能です。
しかし休職中であることも、診断書に明記してもらわなければ審査側は把握できませんので注意が必要です。

社会保険労務士 舩田 光朗(ふなた てるあき)

舩田 光朗
舩田 光朗社会保険労務士
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